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1%の金持ちのせいで99%の私たちが苦しんでいる

世界に広がるウォール街占拠運動

ウォールストリート・占拠アクションが、全米のみならず世界に広がり始めている。15日には、世界同日アクションが呼びかけられ、東京でも複数の連帯行動が行われた。ウォールストリート・占拠は、誰が、何を目的に呼びかけたのか?現場にはどんな人々が集まり、何が生み出されているのか?現地への電話インタビューを交えて特集を組んだ。

同占拠アクションは、「カルチャー・ジャマーズ」による「ウォール街を占拠せよ!」という呼びかけからスタートした。9月17日、ニューヨーク・ウォール街に集まり、街を占拠しよう、というものだ。「カルチャー・ジャム」とは、反商業主義を掲げて資本主義的消費文化の破壊を呼びかける社会運動で、カウンタ・カルチャー雑誌『アドバスター』(12万部発行)を中心に活動する。

チュニジア、エジプトで開始された市民革命の息吹が、金融資本主義の総本山であるアメリカのウォール街へ伝播した。闘いの形は、非暴力直接行動。中心を作らず、集まった人々が集団討議で行動を決め、実行するという組織スタイルを特徴としている。「カルチャー・ジャマーズ」による呼びかけと、レイバーノーツに掲載された労働運動からの現地レポートを合わせて紹介する。 (文責・編集部)

(以下一部略全文は1427号を入手ください。購読申込・問合せはこちらまで。)


民衆会議で行動計画を決定

資本主義的消費文化の破壊呼びかける「アドバスター」

「1%のせいで99%の我々が苦しんでいる」―ウォール街占拠運動で登場したスローガンだ。「1%の金持ちと99%の私たち」という明瞭な構図を作り出した時、この運動の可能性と広がりが決定づけられたのかも知れない。

多数の人が家を失い、まともな保険制度がなく、失業率は増加し、大学や院を卒業しても仕事に就くことができず、借金に追われるアメリカの99%の人々。そんな「我々」を犠牲にして、1%の金持ちがこの国を支配している、という主張だ。

行動を呼びかけた雑誌「アドバスター」とは、広告をぶっつぶす者たち。カナダのバンクーバーに本拠を置 く非営利団体だ(http://www.adbusters.org/)。

アドバスターの呼びかけに応答し、ウォール街占拠運動のホームページが立ち上げられた(http://occupywallst.org/)。ホームページには、毎日の行動予定や占拠運動現場のライブ中継がリンクされる。

占拠運動の現場では、誰 でも参加できる民衆会議で毎日の行動計画が決定されていく。こうした運営手法は、エジプト・タハリールやスペインのキャンプ広場占拠運動からの影響だ。

参加者のひとりであるティファニーさんは、5000q離れたアメリカ西海岸のワシントン州シアトルから来て3週間になるという。「今は、主にメディア班として活動している」と語るティファニーさんは、毎日の民衆会議の内容をまとめてブログにアップしている。大学では宗教学を専攻するが、学費が支払えないために休学中。すでに学費ローン負債は5万ドル(約400万円)になる。「私は文字通り99パーセントの側。参加しない方がどうかしている」。

ヨガのワークショップを主宰しているアマリンさんは、700人が逮捕されたブルックリン橋の対岸で暮らすモロッコ移民の2世だ。ニューヨーク市立大学を卒業したが、今は、レストランでウェイトレスをしている。

街頭占拠の現場では、ヨガの他に、音楽や絵画、政治問題の討論会等さまざまなワークショップが開かれている。

世界からNYへ NYから世界へ

世界各地から多数の人が参加している。闘いが開始された数日後には、バルセロナから駆けつけた男女3人組がスペイン語で報告と呼びかけをやっていたし、呼応したチャット板もスペイン語で埋まっていた。

…(中略)…

翻って日本はどうなのか?自殺者は年間3万人を超え、原発事故が進行中にもかかわらず、東電は税金で保護され、法人税は据え置きのまま消費税等の国民負担増を画策する政府。

「1%対99%のスローガンは単純に過ぎる」と言うのなら、私たちはどのような明確な対立の構図と言葉を準備することができるのか?  

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