「子ども福島」世話人・佐藤幸子さんが運営する障がい者共同作業所「青いそら」を訪ねた。佐藤さんの「親としての直感」を起点とした歯切れがいい言葉は、問題の核心をズバリ言い当てる。
農業・障がい者・高齢者─日本の近代化の中で周辺化されてきた場所からの発言だからこそだろう。(編集部・山田)
子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク世話人/NPO法人青いそら理事長 佐藤幸子さん
▲佐藤幸子さん |
福島で「風評被害に負けるな!」というスローガンが溢れています。実際、会津地方には、放射線量が東京都内より低い地域もあります。
しかし商工会議所や県庁は、0・5μSV/hという高線量でも「風評被害に負けるな!」という言い方をします。福島に住み続ける人にとっては、高い汚染数値がでても風評被害ということにしておかないと、誰もいなくなってしまうからです。
「安心したい人々」は、3・4月に比べて放射線量が下がってきたことをもって、大丈夫だと思いたいわけです。でも元々が非常に高かったわけですから、安全であるとはいえません。
残ろうと決めた人にとっては、もう数値はどうでもいいのです。「住めるようにして欲しい」ということで、除染を求めています。
1・0μSV/h以上の学校は、除染が始まりました。今後、通学路や公園など、子どもが集まる場所に広げていくようです。自主除染を始めた自治会もあります。
確かに福島の放射線量は下がっていますが、逆に東京などの遠い場所の線量が上がっているようです。
ゴミの焼却で、焼却場の風下にはホットスポットができています。
震災がれきを全国で処理するという計画がありますが、放射線を拡散させてしまいます。放射能の拡散を防ぐには、がれきはすべて東電の敷地内に集めて、処理させるのが原則です。
問題は、他にもあります。汚染地域の側溝や道路の除染をしても、その泥の処分場がありません。東電に着払いで送ろうか、という話もしています。
自分たちで作ったゴミを、自分の所には置いておきたくないから、過疎地に持っていく、という発想を根本的に変えなければなりません。
ゴミは、作ったところで処理するのが原則です。それができないのなら、そんなものは作るべきではありません。
被害補償については、過去の社員も含めて東電社員の財産は全て没収して、補償に充てるべきだと思っています。
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子どもたちは、すぐに山形に避難させましたが、私は、この事業所を頼りに生活している人々がいますから、避難区域に指定されるまでは残るつもりです。少なくとも子どもが自立するまでは一緒に住み、山形から事務所に通います。
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