宮古島市/人権と教育を考える会川平俊男
7月10日、前原元外相率いる「新世紀の安全保障を確立する議員の会」一行が、宮古伊良部にある下地島空港を視察した。一行は民主、自民、公明所属の8名の議員たちだ。まるで大連立の予行演習だ。宮古島市の下地市長とも会談した。市長は自衛隊協力会の会長でもある。
しかし、民間パイロット訓練施設である下地島空港へ防衛関係者が頻繁に来るのは何故か?沖縄県は今後の同空港活用の一例として、アジアの物流センター、国際的災害救援センターの設置をあげている。宮古島市もそれに同意している。防衛省はそこにつけ込んだ。
防衛省は、同空港を「災害救援拠点」として利用し、自衛隊の実戦部隊を常駐させる、とヌケヌケと言っている。災害救援を名目に、「動的防衛力」の具体化を進めようとする腹だ。
宮古・八重山の先島地域での軍事行動展開には(防衛省は公表していないが)、致命的弱点が見える。
@部隊の移動や駐屯がむずかしい。場所がない、港はせまい、空港は過密で余裕がない、等々。
A物資の補給がむずかしい。つまり、平站基地がない。
▲民間パイロットの訓練空港として |
日本本土から遠いため、この2つの問題を解決せずには、「島嶼防衛」は空文句になる。
下地島空港を利用できれば、この問題が解決できる。それが、下地島空港を狙う理由だ。防衛省は、何としてでも欲しいのだ。
しかし、災害救援活動は国交省の管轄であり、防衛省ではない。防衛省は、権限外の政策をゴリ押ししている。
第2次大戦時、宮古は要塞化した。もちろん、日本本土防衛の捨て石だ。住民の多数が台湾に疎開させられ、戦った住民は、飢餓とマラリアなどの疾病と米軍の艦砲射撃に苦しめられた。3万余の日本兵が駐屯し、朝鮮から若い女性たちが拉致されてきて慰安所に押し込められ、住民は軍用飛行場造りにも狩り出された。
当時も、日本軍は宮古の住民を守るために来たのではない。南西諸島地域への自衛隊配備、米軍との共同軍事行動は、私たちを守るためではない。枝野は言う、「少々の(住民)のギセイはやむえない云々」。フザケルナ!
(以下の全文は1423号を入手ください。購読申込・問合せはこちらまで。)
人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F