「ジャニー・トウ・フォーエバー」平賀 緑
政府は、1ミリSVや20ミリSV/年間という基準を示していますが、これはあくまで、外部被曝の総量です。内部被曝の恐さをきちんと理解して主張していかないと、また原発を許してしまうことになりかねません。
チェルノブイリ事故後の調査によると、放射総の影響は、外部被曝=24%に対し、内部被曝は76%だそうです。放射線量当たりの影響は、内部被曝が外部被曝の600倍という研究者もいます。
国際放射線防護委員会は、内部被曝の影響を無視する立場で、第2次大戦後の放射線被曝による死者の数を117万人と試算しています。一方、内部被曝の影響を考慮する欧州放射線リスク委員会の推定は、実に6500万人。内部被曝を勘定に入れると、死者の数は実に約60倍になります。内部被曝の方が、はるかに人体への悪影響が大きいのです。
内部被曝は、局部的に強力に作用し、時間的継続性も長いために、遺伝子=DNAを破壊する力が高くなり、癌の発生を誘発します。
内部被曝は、大部分は食品からだと言われています。特に学校給食は、子どもたちに選択の余地なく与えられる食事ですから、汚染されたものであってはなりません。
チェルノブイリ原発事故で汚染されたベラルーシでも、学校給食は、汚染されていない地域の良材を輸入していると聞いています。汚染された地域では地産地消の流れが途絶えてしまうことは残念ですが、今は、ケースバイケースで取り組まねばならないのではないでしょうか。
内部被爆の問題は、長く隠されてきました。京都大学原子炉実験所の小出裕章さんは、「国が本当にいやがっていることは、公衆が汚染の事実を知ってしまうことであり、彼らの本当の防衛線は汚染データを公表しないという点にこそある」「大切なことは、放射能汚染の真実を公衆に知らせ、一人一人が主体的に汚染と向きあう作業だ」と仰っています。
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