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農地の放射能汚染,実態調査手つかず

次代のために今をたがやす.

原発から50km 有機農家・菅野正寿(すげのせいじゅ)さんの「決意」

「3・11日を境に世界は変わった」「日本は放射能まみれ」と小出裕章さんは繰り返す。放出される放射能と,その検査体制の不備という現実は,私たちにい否応なく《日本で放射能に汚染されていない食品はなくなった》との認識を迫っている。

だからこそ、@子供や妊婦に汚染度の低い食品を食べさせるため、A福島の農業を守るため、そしてB原発を許してきた世代の責任として、50才以上の男性は,放射能で汚染された農産物を食べるという選択もあるのではないか―放射能汚染社会を生きる覚悟として、こうした議論が始まっている。

福島で有機農業を営んできた菅野正寿さん(53才)は、事故原発から50kmの二本松で「次代のために今を耕す」決意を固めている。しかし、数十年かけて作り上げてきた地産地消に基づく学校給食への食材提供は,自粛せざるを得なかった,という。

「有機の里、地産地消の取り組みがようやく実を結んできたときに原発事故が襲ってきた」と、菅野さんは怒る。福島の生産者が放射能社会をどう生きようとしているのか? 循環を断ち切られ、土を汚染された農民の声は重い。(文責・編集部)

高濃度汚染で耕作不能地には代替農地と住宅を提供すべき

「耕作延期」決定で沈黙の春

私が農業を営む二本松町は、平成の大合併で東和町となりました。ここは日本でも有数の養蚕地域でした。ところが、1970年代の急激な貿平自由化で、外国から安い繊維製品が輸入されるようになると、養蚕は瞬く間に消えてしまいました。耕作放棄地が広がり、荒れた桑畑を再生したいとの思いで、桑を甦らせるための商品開発に取り組んてきました。それが健康食品としての桑茶です。

特産品の開発・有機農業をとおして、地域資源循環型のふるさとづくりに取り組んできました。そうした長年にわたる取り組みが、ようやく実を結んできた時に、原発事故が襲ってきたのです。

相次ぐ原発の爆発で、3月15日に、浪江町から二本松に、3500人が避難してきました。その受け入れて、3月中は忙しく動き回っていました。

そんな中、農事組合からの指示は「田んぼを耕すな」という耕作延期でした。放射能汚染の心配が現実化したのです。本来なら、子どもが遊び、百姓は田畑へ出て野良仕事を始める音が、沈黙の春に変わってしまったのです。

福島県農林水産部が発表した農地土壌の汚染調査結果(4月12日)を見ると、二本松は、1000〜3000bq(ベクレル)/キロで、国の暫定基準値である5000bq/キ口以下でしたが、避難区域になった飯舘村や浪江町は、1〜2万bq/キロというとんでもない汚染でした。

国の暫定基準値(5000bq/キロ)以下の土地については、耕作許可がでています。しかし、福島県産農産物の出荷制限もかかっており、3000bqなら安全なのか? 自分の農地の汚染度はどれ程なのか? 実態がわからないまま、農民は不安な口々を過ごしています。

私は、琉球大の支援を得て、自分の田畑の汚染度を側ったところ、水田は452bqで基準値の10分の1でしたが、数百メートル離れた畑では、4518bqも出ました。たかだか数百メートル離れただけでこんなにも違うことに、本当に驚き、しっかりした調査の必要性を実感しました。

ところが当時、福島県には放射能雨測定器が1台もなかったのです。 

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