N1ゲート前の |
「取材に来たの?だったら2月に来たらよかったねぇ」─高江(沖縄県東村)N-1ゲート前の座り込みテント。やんばるの森のまっただ中で、夏の日差しを浴びながら、沖縄平和運動センター事務局長の山城博治さんはこう語った。
高江では沖縄防衛局による米軍基地ヘリパッド建設の工事がいつ再開されてもおかしくない、緊迫した状況にある。今年に入ってからは、工事のための重機を搬入しようとする施設局・業者が連日、大人数で押しかけた。
座り込みに参加する人々は、非暴力に徹した抗議行動だが、「防衛局のやり方が暴力的だった」という。「警官の目の届かないところで、体当たり・ひざ蹴り・ひじ打ちは当たり前」「土のうにしがみついて、搬入を止めさせたりしたんだけど、向こうのやり方が激しくて、爪を剥がした仲間も何人かいた」…その時のことを、座り込みテントの人たちは口々に語ってくれた。「1〜2月は、本当に戦場でしたね…!」。
その工事強行時、防衛局は「職員にケガを負わせた」として座り込み参加者を告訴し、那覇地検が書類送検した。7月6日、地検は「証拠不十分」で不起訴処分を発表したが、工事を強行するためになりふり構わぬ防衛局の姿勢が、改めて明らかになった。
高江周辺では、米軍ヘリコプター(普天間飛行場所属)による低空飛行訓練が、夜遅くまで行われている。6月、海兵隊は「普天間へのオスプレイ配備」を発表したが、高江のヘリパッド建設は、このオスプレイが離発着することを前提にしている。
絶滅危惧種ノグチゲラの営巣期(3月〜6月)が終われば、沖縄防衛局はすぐに工事再開する意向を明らかにしていた。しかし19日現在、ヘリパッド建設工事についての動きは見られない。「民衆の座り込みによって工事を止めた」(前述・山城さん)大きな成果だと言える。
国・防衛局は、ヘリパッド建設そのものを断念したわけではない。座り込みした高江住民を相手に「通行妨害」だとして国が訴えた「SLAPP訴訟」も続いている。ヘリパッド建設や米軍基地に反対し、時間を割いて座り込みを続けている高江への支援・連帯が求められる。「現地では、24時間体制で座り込みが続いていることを知って欲しい。多くの皆さんからの支援をお願いします」(山城さん)
私が高江に入った3日には、「座り込み4周年報告会」が、本土からも含め、沖縄各地から530名の参加があった。全国からの様々な連帯の中で、台風一過後の今日も、24時間体制の座り込みは続く。(編集部・一ノ瀬)
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