(広場を占拠する若者たちに「民主主義を疑ってはいけない」と言ったテレビ司会者に対し広場を占拠している「怒れる若者」からの返事)
ベアトリース・ガルシア/翻訳・脇浜義明
そうよ、あたしたちはこんな民主主義を疑っているの。だって、この民主主義は人民の主権を尊重しないから。市場が自分に有利な決定を民衆に押しつけているのに、議会政党はこういうグローバル現実に抵抗していないもの。我が国の議会でもEU議会でも、誰も通貨や国債への金融投機に反対しない。
あたしたちがこの民主主義を疑うのは、権力の座についた政党が民衆的共同の利益を求めず、金持ちの利益ばかりを追求するからなの。経済界の利益の成長だけを国の成長として、社会的公正、再分配、公共サービス、一般民衆の住居やその他の生活的必要へのアクセスの成長を国の成長と見なさないからだわ。政権政党が権力維持だけを念頭において、延命のための取引ばかりを行って、選挙で民衆に約束したことを放置したままにするからよ。国民生活の中に充満する不安感、ローン重圧、不確定性などの「諸問題」の解決のために法律を制定し、それに忠実に生きる政治家を一人も産み出さないような民主主義にはウンザリなの。この民主主義が、汚職と堕落にまみれ、政治家に公的役職の他に私的な地位を持つことを許し、公的立場で得た情報から利得を得ることを許し、退職後は経営顧問など特権的地位に天下りし、政治家であることを金儲け職業にしてしまった民主主義なんて受け入れられない。
あたしたちがこの民主主義を疑うのは、それが意思決定を完全に政治家の手に、あたしたちとは接触がなく、ただ名簿に載っているだけで議員となった(スペインは完全な拘束名簿比例代表制の選挙制度)政治家の手に委ねるからよ。投票と議席の間に釣り合いがないの。この民主主義では、悪事を行った政党を罰する唯一の方法は、自分が支持していない政党に票を入れることしかない、という馬鹿馬鹿しさから成り立っているからなの。政権党が憲法規定にある社会的条項を守らなくてもすむ民主主義だから。つまり、正義の適用は公平でなく、人間らしい仕事や住居が全員に備わっている訳ではなく、移民労働者は国民として扱われていないのです。
弁解や言い訳はたくさんよ。現存民主主義か、過去の独裁主義かという選択はもうたくさんなの。あたしたちは今とは違う生活を望んでいるの。今こそ本当のデモクラシーを要求するわ!
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