[情報] 「参政権を奪うな! 住民票を返せ!」叫びへの弾圧に反撃開始
4・5釜ヶ崎大弾圧緊急抗議集会
4月16日(土)、西成市民館で「4・5釜ヶ崎大弾圧緊急抗議集会」が開かれた。会場は、超満員で、関心の高さをうかがわせた。
4月5日、釜ヶ崎労働者と支援者6名が公務執行妨害の容疑で不当逮捕され、10ヵ所を超す家宅捜索がされた(最終的な逮捕者は7人)。「公務執行妨害」の内容というのは、7人が昨年7月参議院選挙で、萩之茶屋投票所(大阪市西成区)で選挙妨害をした、というもの。
集会には、服部良一衆議院議員や、これまで釜ヶ崎の闘いに連帯してきた個人・団体も多数参加、熱気にあふれる集会となった。(編集部)
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抗議集会では、最初に2007年の住民票消除をめぐる闘いのドキュメンタリー映画「釜の住民票を返せ!」(金稔万監督)の上映が行われ、参加者は、当時を思い出すように見入っていた。
続いて、7人の仲間や友人が、それぞれの人となりや、釜ヶ崎との関わり合いなどを紹介した。釜ヶ崎労働者と共に、毎月、天王寺公園で「平和憲法を守ろう!」と訴え続けてきた南さん・野村さん。釜ヶ崎や野宿テント村をテーマのひとつにして、ドキュメンタリー映像を撮り続ける佐藤さん。日本基督教団・摂津富田教会の牧師であり、また釜ヶ崎医療連の代表として、日々活動している大谷さん。釜ヶ崎で暮らし、働きながら、住民票消除反対の闘いでも、常にエネルギッシュに行動してきた阪口さん。労働者のIさん・Sさん。
この7人を、統一地方選の直前、9カ月もたって逮捕した大阪府警への怒りを共有していた。
16日現在、7人は西成署から離れた大阪府警の警察署に分散して勾留されている。接見禁止の状態にあるが、全員元気だ。
投票を妨害したのは大阪市&大阪府警
2007年3月、大阪市は「居住実態がない」として、釜ヶ崎労働者2088名の住民票を職権消除した。
以後、釜ヶ崎の労働者や支援者たちは、選挙の度に「ドヤ(簡易宿泊所)で宿泊証明が取れる人は、住民票が復活できる可能性があるので、諦めずに投票に行こう!」と、労働者に呼びかけてきた。暴力をふるったわけでもないし、「投票できる可能性がある人に呼びかけて、キチンと調査すべき」と要求しただけで、投票事務を具体的に妨害したわけではない。
しかし大阪府警は、この行動を、「公務執行妨害」である、とデッチ上げて、7人を逮捕した。「大勢をたのみ、喧騒を起こした」と、逮捕状は言う。
しかし、多くの人が証言するように、萩之茶屋投票所では、大阪市の職員による3列にわたる人垣でピケが張られ、大阪府警の制服警官約20人が、遠巻きに監視していた。そんな異様な状態で、投票しようとする人、ましてや住民票を回復させたいと思う人が、気軽に投票所に入っていけるだろうか。投票を妨害していたのは、大阪市・大阪府警だ。
本来なら、大阪市が「4ヵ月以上、萩之茶屋投票所区内に住んでいれば、住民票を復活して投票できる」ことを、より多くの釜ヶ崎労働者に、周知徹底させる必要があったはずだ。