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▲米国の民間調査会社が公表した、4月4日現在での福島原発から投棄された放射能物質汚染水の広がりの予想モデル
更新日:2011/06/03(金)

[海外] 東電は事故をコントロールできていない
──4月6日 グリーンピースUSA

フクシマの危機を伝えない東電と日本政府

この数週間、東電と日本政府は、「フクシマの危機は沈静化の方向へ向かい、事態は制御下にある」と言って、住民と世界を安心させようとしてきた。

しかし、1万5千トンもの高度放射能汚染水を、直接海洋に投棄する決定をしたこと自体、事実がその反対であることを物語っている。もっと高濃度の放射能汚染水を入れる容器がないので、すでに入っている汚染水を海に捨てて、容器を空にする自転車操業的な決定は、事態が制御下にないことの証拠である。

東電や政府は、「投棄汚染水は人間の健康にとって重大な脅威とならない」と言っているが、それは証明されたわけでなく、これからを待つしかないのだ。放射能が、海洋エコシステムや漁業・海産物に与える影響については、何も言わない。

この数日間、損傷した原子炉から40q沖合いの海水から、高濃度放射能汚染が検出されている。同じように、2週前に40q沖合いの海草から、限界値の数千倍の放射性同位体が検出されている。その放射能汚染水を海に捨てるのだから、想像するのも恐ろしい。

「避難地域」内外で調査

フクシマ周辺の沿岸は、漁や海産物採集にとって重要なところだが、原発周辺の海は、汚染の海となった。東電は4月2日に、原子炉付近で採取した海水から、法律で定める限界値の750万倍の放射性ヨウ素が検出されたことを発表した。放射性ヨウ素のようなものに法的限界値を定めるのは、安全性を考慮してのことであろう。その限界値の750万倍もの放射性ヨウ素が「人間の健康にとって、重大な脅威とならない」とは、信じ難いことだ。そのうえに、放射能汚染水1万5千トンの海洋投棄があるのだ。

先週、グリーンピースUSAの現地放射能測定チームが、飯舘村で測定した値は、福島県やIAEAが発表した値と同様の高い濃度であった。それに基づいて我々は、避難地域の外の汚染地域の住民も避難させるように、日本政府に進言した。政府は、まだ避難させていない。

避難地域外での放射能危機に関する情報を、日本政府が隠しているという報道(訳注:4月4日のNHKワールド英語版)に接して、我々は、住民に正確な情報を提供する急務を痛感した。

そこで、測定チームを2チームに増やし、避難地域の外の地域に配置した。一方のチームは、健康への脅威や、食物や牛乳の検査、残るチームは、大気の放射能汚染状況を調べている。

原子炉は本来的に危険なものであり、いつでも操作ミス、設計ミス、天災、その他の災難で危機に陥る可能性がある。世界の政府は、原子力以外の再生可能なエネルギーで未来を考えるべきであろう。

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