更新日:2011/04/21(木)
[社会] 猛毒=プルトニウム燃料とする「プルサーマル」
福島原発3号機 建屋爆発・燃料棒露出 燃料プール沸騰
福島原発事故で、とりわけ3号機の状況が懸念されている。北沢防衛大臣は、燃料棒が露出して最も危険といわれた4号機でなく、「3号機が『限界』と発言(3月20日)した。その理由は、3号機が「プルサーマル」だからだ。3号機は、原子炉の燃料として、ウランにプルトニウムを混ぜたMOX燃料を使っている。
このプルトニウムの毒性はあらゆる毒物の中でも最悪で、「角砂糖5個分で日本が全滅」するという指摘があるほどだ。半減期が2万4千年で、半永久的に放射能を出し続ける。こうした性質ゆえに、プルートー=地獄の王から名前がつけられた。
原発の元々の設計は、プルトニウムを燃やすようにはなっていないので、プルサーマルは非常に危険だ。原発技術者の平井氏(4ページ参照)によると、「石油ストーブでガソリンを燃やすようなもの」だという。ウランも危険だが、プルトニウムは、核分裂の力がウランとはケタ違いに大きいという。ウランより融点が低いために、燃料溶融に至りやすく、臨界に達しやすい。
またMOX燃料は放射能が強く、温度が下がりにくいため、原子炉が停止した後も、冷却管理がより重要だ。ウランより爆発し易いために、原爆の材料になっている。
アメリカをはじめイギリス、オーストラリア、韓国政府が、福島原発80キロ圏外へ自国民の避難勧告を出し、各国政府が大使館の一時閉鎖に踏み切ったのは、3号機の爆発を危惧してだったようだ。(編集部)
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