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更新日:2011/04/19(火)

[政治] 沖縄県民の水がめ・やんばるの森を破壊する米軍ヘリパッド建設強行
──KEN子(沖縄環境ネットワーク/ミュージシャン)

世界自然遺産の価値がある森を占有する米軍ジャングル訓練施設

沖縄県民の飲み水を賄う、北部やんばるの深く豊かな森の中にある、160人の小さな集落=東村高江。住民達はこの静かな環境の中で、農業や工芸や子育てをしながら暮らしている。

ヤンバルクイナなどの貴重種をはじめとする生物多様性に富み、世界自然遺産にも登録できる価値があるこの森、実は半分を世界唯一の米軍ジャングル訓練施設が占有しているため登録できない、という現実がある。住宅地のすぐ上を米軍ヘリが低空飛行、爆音と激しい風を巻き起こし、サバイバル訓練中の兵隊が畑を踏み荒らし、森から民家に出て来ることもある。

辺野古と同じくSACO合意(沖縄の米軍基地「負担軽減」を目的に、日米政府が1996年に合意した沖縄施設・区域特別行動委員会〔SACO〕最終報告)の産物として、その高江区を囲むように、更に米軍ヘリパッドを新たに6つも作るという計画が突然発表され、区は反対決議を出した。しかし、それを無視して工事が始まることになった2007年7月から座り込みが始まって3年半。いつ来るか分からない防衛局に気が休まることもなく、住民側は毎日の生活を削って座り込んでいる。

その住民達を、行政である国側が、司法という権力を使って「通行妨害」で訴えた。いわゆる「スラップ裁判」(企業や政府などが、公的に発言・行動した住民などを相手取って起こす、加罰的・報復的な訴訟のこと)だ。

2010年末、クリスマスや年末ムードに賑わい始めた12月22日、早朝6時、防衛局が作業員100人以上引き連れて闇討ち、住民が人数を集めきれない内に、2カ所で同時にスクラムを組んで防御線を張り、工事用フェンスを完成させ、重機を搬入。

地域住民に作業開始の告知もなく、まだ夜が明けきれない暗がりの中で作業員達を働かせることも、住民たちに寝起きで突然抗議行動をさせることも「国の事業」?

「次年度予算獲得のための証拠づくり」なのか知らないが、これを「単なる周辺作業」と説明すること自体が異常だ。

更に翌12月23日夕方、意図的と見られる超低空飛行の米軍ヘリの風圧で、座り込みテントが壊された。偶然、その時は人が中にいなかったが、いたらケガ人必至の事件だ。住民と支援者と県選出国会議員が防衛局に抗議に行ったが、先方が日時を指定しておきながら、当日は局長が会わないという事態。防衛局ロビーで座り込み、ようやく午後に面会。しかし、納得できる回答は貰えなかった。

そもそも、自分たちがスラップ裁判を起こしておいて、証拠も不十分のまま、もう何カ月も延ばして、税金の浪費、給料泥棒でしょ。裁判長にも「話し合いなさい」と言われている中で、作業だけは強行するなんて。

さらに今年、旧正月の2月3日、沖縄では大事な行事もあるその日に、再び防衛局は100名以上で、2ヵ所同時にやって来た。3月から6月は貴重種の県鳥ノグチゲラの繁殖期に配慮して重機を使わないという約束のために、防衛局は焦っており、2月は毎日100人もの作業員達を引き連れて、何十台の車とトラックでやってきた。

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