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更新日:2011/03/14(月)

[海外] エジプト/悪い予感が現実になりつつある ムバラク政権の反撃
──本紙特派員・阪口浩一

「混乱」作りデモ制圧狙う?!

大変な状況になってきました。当たらないでくれとの思いが強いですが、悪い予想が現実となりつつあります。

2月3日の午後、4時間以上にわたり、警察と軍隊に身柄を拘束されました。警官にパスポート、携帯電話を取り上げられ、SIMカードが返還されなかったので、携帯電話が使えなくなりました。

カイロ市内は、一変しています。タフリール広場へと続く通りは、警官・軍隊のチェックポイントが急増しました。もちろん取り締まりの対象は、反ムバラク派のみです。

当地の報道によると、外国人ジャーナリストが拘束、勾留され始めています。3日朝の軍による銃撃以降、外国人や外国人ジャーナリストへの攻撃も増加しています。

機関銃を装備した兵士を乗せたジープが頻繁に通りを行き交い、特殊部隊らしき重装備の兵士の車輛も横切って行きます。

道路は、民主派の市民たちに代わって、顔つきの異なるムバラク支持派の血走った顔の人々に制圧され、我々外国人や市民へのチェックを強めています。

2日までとは違い、通りを歩く人は、ほとんどいなくなりました。タハリール広場の人々が遮断され、孤立させられつつある、ということです。

サブラ・シャティーラ(レバノンの首都ベイルートにある難民キャンプでパレスチナ人が大量虐殺された)に限らず、前回のイスラエルによるガザ攻撃(2008年末)しかり、人々の目を遮断し孤立させ、殺すというのが、殺戮の共通している点です。

どうなるかわかりませんが、タハリール広場へ向かいます。

デモ隊攻撃条件に受刑者釈放

2月2日も100万人を超える市民がタハリール広場に結集しました。しかし、昨日までの平和的な状況とは違い、ムバラク大統領支持派が広場の民主化要求デモ隊を襲いました。

最初にムバラク支持派が突っ込んだのは、午後2時半頃です。これをきっかけに、両者の間で投石が起こり、現在も続いています。私が確認できた範囲でも、午後6時半までで500人以上が負傷しています。

衝突の中、ムバラク支持派メンバーが民主化要求派に捕まり、白状したことを紹介します。刑務所を出される際に、タフリール広場のデモ潰しを条件に出され、かつ500ポンド(約7000円)を受け取ったそうです。1000ポンド(約14000円)受け取った受刑者もいました。全てとは断定できませんが、かなりの数の受刑者が、デモ潰しのために釈放され、動員されているのは事実です。

こうしたなか、ムバラク支持派の発砲で4人が死亡、13人が負傷しました。

現在は、数日振りに火炎瓶が飛び交い、緊張した状況が続いています。これを口実に、ムバラクが武力制圧に出る事態は十分に考えられます。

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