人民新聞オンライン

タイトル 人民新聞ロゴ 最新版 1部150円 購読料半年間3,000円 郵便振替口座 00950-4-88555┃購読申込・問合せはこちらまで┃人民新聞社┃TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441┃Mailto:people@jimmin.com
反貧困社会編集一言政治海外情報投書コラムサイトについてリンク過去記事

▲軍も認める「平和的抗議行動」 臨時診療所となったモスクでは、負傷者の治療が
更新日:2011/03/14(月)

[海外] エジプト/独裁者NO!民主化YES!正念場迎える民主化デモ
──本紙特派員・阪口浩一

自治空間広げる民主化勢力 挑発続けるムバラク政権

カイロから特派員の第一報が入った。1月28日深夜、空港に降り立った特派員記者は、封鎖されていた空港を抜け出して、カイロ市中心部に向かった。タハリール広場に近づくにつれ、喧噪と興奮が密度を増したという。29日のカイロからの電話の声も、叫び声やシュプレヒコールにかき消されがちだった。

エジプト軍も認める平和的な抗議行動に対し、ムバラク政権は挑発をくり返し、混乱状況をつくりだして、一気に制圧という事態も予想される。一方、民主化要求勢力は、自警団を組織し、相互扶助の自治空間を創出しているようだ。他のレポートも併せて報告する。民主化支持の国際連帯署名の呼びかけも始まっている。(編集部)

カイロに到着 実弾飛ぶ中心部へ

エジプトがうねりを上げて燃えている。2月1日午後4時、カイロのダウンタウン中心部タハリール広場には、200万人を超える人々が集まり、刻一刻と人は増え続けている。ムバラク退陣を求めて、いくつかの団体が呼びかけた100万人結集の呼びかけは、現実となった。

1月25日に始まった、ムバラク退陣を求める民主化要求デモ。アルジャジーラをはじめとする複数の報道機関によると、イスラム教の休日に当たる先週金曜日(28日)に呼びかけられた100万人デモでは、その参加者の中心は若者男性で占められていたという。

実際、私がベイルートからカイロのダウンタウンに到着した28日午後11時頃のタハリール広場周辺は、デモ隊と警官隊との衝突が継続しており、街頭で警官隊と闘う者の姿は、10代後半から20代の青年たちで占められていた。

午後11時半、タハリール広場に到着すると、周辺には約10台の戦車と同数の軍事用車輛が配備されていた。広場へと続くタラート・ハルブ通りなどでは、警官隊による継続的な催眠弾と実弾の発砲が続いており、若者たちは、投石で抵抗した。

与党本部ビル炎上警察官の襲撃

深夜0時過ぎ、発砲を続けていた警官隊が突然撤収し、デモ隊が戦車、軍用車輛に駆け上り、タハリール広場周辺を占拠。あたりには警察車輛数台の残骸が残った。エジプト国立博物館横の建物は炎上を続けていて、火は時と共に勢いを増していた。ムバラク率いる与党NDP(全国民主党)本部の建物だった。

タハリール広場に集合した人々の明るい歓声の裏では、虐殺が始まっていた。広場周辺の路地で警官隊による銃撃が29日深夜まで断続的に続き、同日午後5時過ぎにカイロアメリカ大学裏の路地で始まった警官隊の銃撃では、9名が死亡。負傷者は300人を超えた。

病院搬送後に警官隊により逮捕、拘置される事件が相次いだたため、負傷者は病院搬送を拒否。その代替場所として広場近くのモスク(イスラム礼拝所)が開放され、そこにボランティア医師や看護師たちが集まり、自主的に治療を行った。

31日のアルジャジーラによれば、今回の民主化要求デモに伴う死者は、カイロ市内だけで119名。警官隊との間で激しい衝突が起こったエジプト最大の港町・アレキサンドリアでは、その日だけで死者が200名を越えた。

続きは本紙 【月3回発行】 にて。購読方法はこちらです。
[HOME]>[ 海外 ]


人民新聞社 本社 〒552-0023 大阪市港区港晴3-3-18 2F
TEL (06) 6572-9440 FAX (06) 6572-9441 Mailto:people@jimmin.com
Copyright Jimmin Shimbun. All Rights Reserved.