[社会] 在特会・主権回復の会による「水曜デモ」襲撃事件取り調べ 検察が被害者を恫喝
──日本軍「慰安婦」問題・関西ネットワーク会員/井上淳
現代の「伏魔殿」=検察庁につける薬はないのか?
厚労省の村木局長の冤罪逮捕事件では、検察庁のデータの改ざん・証拠偽造などが次々明らかとなった。この事件以外でも、検察の杜撰な調査や不始末が明らかになり、検察庁トップが引責辞任した。
このドタバタ劇の中で、警察・検察の調査の「可視化」が叫ばれ、体質の抜本的改革が求められている。
私たち元日本軍「慰安婦」問題の早期解決を求める市民団体は、ソウル日本大使館前で約20年間、毎週「水曜デモ」を貫徹されているハルモニに応えるべく、大阪をはじめ全国で「水曜デモ」を行なってきた。
昨年1月13日、阪急西宮北口で「水曜デモ」を行なっていた時、「在特会」(在日特権を許さない市民の会)や「主権回復を目指す会」が、私たちに襲いかかり、デモ初参加の青年を投げ飛ばし、蹴るなどして、全治2ヵ月の怪我を負わせた。
ところがこの傷害事件に対し、警察は再三の被害者の取り調べ・調書作成・目撃証人の現場検証などを行ないながら、放置してきた。加害者の「主権回復を目指す会・紫藤」という人物が、自らのホームページで「西宮のホテルに行かないとね」などと放言しているにもかかわらずである。
在特会関連の暴力事件では、梅田水曜デモでの戸田元門真市議への暴行事件、京都の朝鮮第一初級学校への暴力的行為、そして徳島の日教組事務所乱入事件で警察が動き、在特会会員ほかの関係者が連続的に逮捕・起訴されてきた。
しかし、直接的暴行が多人数の面前で行使された西宮北口事件は、放置されたままだったのである。
加害者擁護の調書を作成する検察
それがなぜか昨年末突然、「検察庁としての調書作成が必要だから、至急出頭するよう」と連絡してきたのだ。そこで1月7日、私たちは西宮区検察庁(尼崎市)を訪れた。
ところが、再出発したはずの検察庁は、何にも変わっていないことが判明する。
担当の検察官が調室に閉じこもったまま、事務官を通し、「付き添いは認めない」などと言ってきたのである。長期間、事件を放置しておきながら、なお高圧的な態度だ。
これはまさに、被害者への恫喝そのものではないか! 私たちはあえて1人を付き添いに送り込み、待機した。
ところが、当初「約1時間」と言っていた事情聴取は3時間半に及び、デタラメな調書作成を意図したこともわかった。検察官は勝手に「反省すれば相手の処罰は望まない」と書き、全治2ヵ月の怪我を「打撲を受けた」としか書かないなど、加害者を擁護するような文面を作成しようとしたのである。