[政治] より幸せな地球にするためのマニフェスト
持続可能な幸せへ向かう10段階のマニュフェスト
私たち「新経済財団」(注・ロンドンに本部を置く、自称『行動するシンクタンク』)が2006年に発表した、「持続可能な幸せへ向かう10段階のマニュフェスト」をここに再録する。
@極貧と飢えの根絶:先進国の物質的富の増加は幸せの増加につながらないが、逆に極端な貧困は、より良い生活を築く機会を徹底的に破壊する。
Aヘルスケアの改善:清潔な水を保障し、HIV/AIDSやマラリアなどの病気の蔓延を止め、幼児死亡率・産婦死亡率を減らそう。世界保健機関によれば、年間1人当たり43ドルあれば、誰もが高水準の基本的医療ケアを受けられる。
B負債からの解放:多くの発展途上国は、国民に基本的な生活水準を提供することよりも累積債務の返済を優先しなければならない状態に追い込まれている。
C価値観の転換:個人主義と物資的消費を強調する価値観よりも、社会関係や人間関係の豊かさこそが、幸せにとって建設的である。政府はもっと地方の自主的活動や、スポーツチーム、芸術プロジェクトなどに支援を行い、子どもを対象にした広告活動を禁止するなど、物質主義的価値観の発展を抑えるようにすべきだ。
D意義深い生き方の支援:政府は、個人の経済生活、社会生活、文化生活、市民生活への貢献を認め、ボランティア活動を尊重すべきだ。また、労働者が職場外で充実した生き方を追求し、ボランティア活動ができるように、柔軟な勤務体制を敷くことを企業に奨励すべきだ。
E人民への権限移譲とよきガバナンスの奨励:人間の成長には自治意識を持つことが重要である。市民の政治参加が、地域を活性化し、市民を幸せにする。
F環境の限界を認識した経済政策:私たちは、地球環境が許容する資源内で生活する必要がある。一つの惑星で人間もその他の生物もみんな一緒に暮らせる「地球1個分の生活」が政策の公式目標になるべきである。
G持続可能な消費と生産のためのシステム作り:商品価格に環境コストを含めるため、また消費行動を変革するため、エコロジー税を用いるのもよい。商品には消費が環境に与える結果を表示し、企業には生産物の全ライフサイクルにわたる責任を義務付けるラベルを貼るべきだ。
H気候変動への取り組み:排気ガスは2050年までに80%削減すべきである。
I測定:段階的進歩を測定しないと、目標は達成できるない。目標とはエコロジー限界を超えずに、全人民の最大の幸せを実現することである。現在使用できる最良の測定法はHPI(地球幸福度指数)であろう。