[海外] イスラエル/ビリン村のデモで催涙弾(化学兵器?)による死者
──ガリコ 美恵子
平気でウソをつくイスラエル軍
1月1日、パレスチナのビリン村で行われたデモで、イスラエル兵によってパレスチナ女性が殺された。これで「アパルトヘイト壁」に抗議するデモにおいて殺された死者は、21人となった。
亡くなったのはジャワヒー・アブラフマさん。ジャワヒーさんは、デモ中にイスラエル兵が発射した催涙弾のガスを吸い、呼吸困難に陥った。治療も効果がないまま、翌朝、息を引き取った。彼女は、2009年にデモ中に催涙弾で胸を撃たれて亡くなったバッセム・アブラフマ・アル・ハティーブの姉である。
イスラエル内では、2日、国防省玄関前で抗議行動が行われ、『デモで人殺しをするな! 占領はもうたくさんだ!』などのプラカードが掲げられた。
イスラエル軍の広報担当官は、「彼女には癌があったはずだ。催涙弾によって死んだのではない。デモにも参加していなかった可能性もある」と発表した。しかし、多数の目撃者や、病院まで彼女を搬送した救急隊員の証言から、その信憑性は疑わしい。
ジャワヒーさんの母の証言=「私はデモ中、娘のそばにいました。娘は催涙弾を近くで受けてから、気分が悪くなって倒れ、嘔吐し始めたのです。娘は何の持病も持っていませんでした」
搬送された病院の医者の証言=「病院に運ばれた時点で既に、彼女の肺は機能していなかった。これはガスの影響による心臓発作である」
ジャワヒーさんの主治医の証言=「彼女に癌などなかった。健康状態は良好だった」
目撃者の証言=「私はデモが行われている場所のすぐそばにある家に住んでいる。屋根の上からずっとデモの様子を見守っていた。催涙弾がこちらに向けて発射されたため、下の階に降りて窓を閉めようとした時、意識を失っている彼女を見た。彼女は嘔吐しており、口から泡を吹いていた」
救急隊員の証言=「デモ現場に到着した時、彼女はまだ意識があり、『ガスにやられた』と言っていた」
イスラエル軍は、平気でウソをつく。イスラエル軍が使用した催涙弾に含まれる化学物質を精密に検査し、真実を明らかにする必要がある。