[情報] 資本主義の変革」「広範な人々の結集」掲げる仏・NPA(反資本主義新党)の挑戦
11月国際労働者シンポジウム大阪報告
11月29日、大阪にて「11月国際労働者シンポジウム」が開催された。「『反資本主義左翼』への挑戦」―フランス反資本主義新党(NPA)を招いて」─には、フランスのNPAのレオン・クレミュー氏と韓国のキム・インシク氏が招かれた。27日の東京集会に続いての開催。東京は約170名、大阪は約240名の参加があり、関心の高さがうかがえた。
NPA(反資本主義新党)は、2009年2月設立。フランスのトロツキスト組織「LCR(第四インターナショナル フランス支部)」の発展的解消により結成され、約1万人の党員を擁する。改良主義的左翼を脱し、経済の新自由主義路線を歩むフランス社会党と対峙している。「トロツキズムにこだわらず、資本主義体制の根本的変革を掲げ、党や労働組合の違いを超えた広範な人々の結集を目指す」という。
こうした「党派意識の超克」は、語り続けられている課題だが、NPAが具体的にどのような活動をしているのか、レオン氏の講演要旨を報告する。(編集部・渡邊)
◎レオン・クレミュー氏…NPA全国政治評議会委員、SUD(連帯・統一・民主労組)航空労組執行委員。
NPA結成に至るまで
60年代、仏の労働運動は、共産党や社会党が組織していた。68年を境に、トロツキストや毛沢東主義者たちが新しい運動を組織した。
80年代、左翼ミッテラン政権で、労働者の期待は裏切られた。左翼政権が企業や株主の利益を優先する「右寄り」の政策を進め、ルペンなどの右翼も伸張した。80年代は、労働者にとって不幸な時代だった。
90年代、新たな社会運動が始まり、労組も作られた。しかし、エールフランスが左翼政権下で民営化されたように、当時の社会運動は左翼政権への失望から始まった。
2000年代から、急進的な社会主義者は、左翼政権と手を切って活動した。LCRの大統領候補擁立などだ。組合運動・社会運動・オルターグローバリゼーション運動と合流した。こうして新しい組織の結成が考えられた。
多くの活動家が反資本主義新党の結成に合意し、NPAが生まれた。LCRの3000人に対し、NPAは党員9000人以上。若者、女性、移民労働者の参加が目立つ。NPAは、反資本主義の立場から労働者を組織する姿勢を掲げ、国際的な連帯も重視している。