[情報] 京都・在特会デモ観察記 ネットに煽られ「奇妙な連帯感」持つ排外主義
荒唐無稽なデモ
12月4日(土)、京都にて在特会(在日特権を許さない市民の会)がデモを行った。彼らが昨年12月4日に京都朝鮮第一初級学校へ恫喝を行ってから1年。これを公式サイトで「領土奪還記念日」と喧伝。「記念」の京都支部デモだ。この件で在特会は4名が逮捕され、徳島県教組への業務妨害でも7名の逮捕者を出したが、尖閣諸島問題や北朝鮮と韓国の軍事衝突など、彼らが好むニュースには事欠かない。今回は何をするのか。
デモ出発地の京都の御射山公園には、在特会関係者のほか、公安・制服警察官の姿も。現場責任者の成瀬要平氏(在特会・大阪支部長)に取材を申し込むと、「事前許可がないとできません、サイトで発表しています」との返答。「在特会マニア」でもない限り、そこまでチェックはしない。何か問題があるのかと尋ねても、「警察と打ち合わせが…」と逃げの一手。引き止めると、10名程の血気盛んな方々に取り囲まれ、「お前はチョンの手先か!」「このブサヨクが!」などの在特会お決まりの「ネット用語」による罵声と怒号。気にせずデモをしつこく「観察」することにした。
高齢の男性参加者からは、「公正に報じて欲しい」との要請。公正に報じたら、「京都で排外主義者が荒唐無稽なデモを実施」になるが…。韓国からの留学生という参加者もいた。先日の北と南の軍事衝突のニュースやネットの在特会情報を見て、初めて参加したという。
蝶ネクタイ男が現れた。在特会会長の、ペンネーム・桜井誠氏だ。在日コリアンの通名使用非難を繰り返す氏は、常にペンネームの《在特会特権》利用者である。
参加者は約80名。共催団体のほか、愛知や福岡の支部からも動員で、この人数。年齢層は、20〜70代と幅広い。
桜井会長の演説。「朝鮮戦争が始まっている!」。「我々に賛同して韓国の方が参加」と、留学生を紹介。盛り上がる参加者たち。外国人排斥団体だけに珍妙だ。さらに、朝鮮初級学校の児童を脅した行為を、領土奪還の「義挙」と雄たけび。民主党・警察・左翼への執拗な非難も忘れない。弾圧や妨害を受けていると主張。はた目には被害妄想全開だが、参加者たちは声援と拍手喝采。
異常な排外主義を掲げる自称「市民」
桜井氏が誹謗しまくった京都府警の厳重な警護の中、デモ開始。街路には、デモ隊と同等数の機動隊員やバスまで配置。
シュプレヒ・コールは、恒例の「朝鮮学校解体! 朝鮮人は日本から出て行け!」。「朝鮮学校が差別を生む! 朝鮮関係の企業にしか就職できないからだ!」などのムチャクチャさも、いつも通り。デモを見る市民は、あぜんとしていた。居合わせた外国人に在特会の主張を説明したところ、あきれていた。
絶叫の在特会と沈黙の警察という行列に、ようやく緊迫感が生まれた。反在特会を掲げる人々が、四条烏丸と四条河原町の交差点に登場したのだ。