[情報] 稲垣浩さん仮釈放集会 「これからも団結して権力の横暴と闘います」
西成署の暴力体質と闘う
「こうやって、また皆さんと一緒に団結して闘っていけることを、うれしく思っています」(稲垣浩さん)─11月30日(火)、釜ヶ崎にある西成市民館で、釜ヶ崎地域合同労組・稲垣委員長の「仮釈放集会」がおこなわれた。
稲垣さんは、2008年6月の5日間にわたる西成署への抗議行動(6・13抗議行動)の中で、「道路交通法違反」をデッチ上げられ、今年3月10日に収監された。これまで滋賀刑務所に収監されていたが、11月25日に仮釈放となったもの。
集会では、弾圧の口実となった6・13抗議行動のDVD上映が行われた。映像に記録されていたのは、西成署の釜ヶ崎労働者に対する差別・暴力に憤り、抗議に起ち上がった釜ヶ崎労働者の姿だ。
「釜の人間やったら、たいていは西成署の警官から何かされた経験があるわ」─会場からは、そんな声が出ていた。
DVD上映後は、釜ヶ崎の労働者や、これまで共に活動してきた労組などの団体・個人があいさつ。稲垣さんの出獄を祝った。
うれしそうに祝辞を聞きながら、「こんなに早く仮釈放になったのは意外」と語った稲垣さん。獄中での生活態度が「優秀」だったのがその理由とのこと。しかし、その一方で、受刑者の衣・食・住・医・労働等すべてのことに関して、受刑者の人権が軽んじられている刑務所のひどい実態を指摘した。
連帯のあいさつの中で、抗議行動の最中に西成署で集団リンチを受けた早瀬博さんは、大阪府(大阪府警)を相手取って、11月4日に国賠請求の訴えを起こしたと報告した。
早瀬さんは、2008年6月14日の抗議行動の中で、機動隊から暴行を受け、頭から血を流している労働者を見て、その機動隊員に抗議するため、手で盾を揺すった。これが「公務執行妨害」として逮捕され、西成署に連れ込まれ、十数人の警察官から暴行を受けた。抗議行動への報復リンチだ。警棒で頭を繰り返し殴られ、前歯もへし折られるなどの暴行を受けた早瀬さんは、いまも頭痛などの後遺症に苦しんでいる。抗議行動の期間中、早瀬さんと同様に、リンチを受けた労働者は、約20名いるという。
現在西成署は、早瀬さんの訴えも含め、暴行を受けた3人から訴えられている。その訴えの中には、つい最近の出来事もある。釜ヶ崎労働者が抗議した西成署の暴力体質は、抗議行動の後も変わっていないのだ。
稲垣さんは、「権力の横暴を忘れたらアカン。権力を笠に着て、労働者をいじめる者たちへの闘いをあきらめたらアカンよ」と、今後も弾圧に負けずに活動を続けていくと語った。(編集部)