[政治] 沖縄県知事選の結果を受けて 演劇通じて子らに反戦伝える
──吉玉誠一(徳之島の自然と平和を考える会)
様々な問いかけを演劇にこめて
気圧の縁に近い関係で、冬場には雨が多い徳之島だが、今年はそれが早い。
沖縄知事選の結果は、重ねがさね残念だ。徳之島からも応援に行き、「徳之島の自然と平和を考える会」からのメッセージも届けられ、兄弟島としても熱い期待を持って見守っていた。結果は「質の悪い県外移設」。これは、ワキヤ島(「ワシらの島」の意)にとっても、強い警戒を持って受け止めることになる。
機を同じくするように、尖閣問題、朝鮮半島の砲撃、死者をも出す惨事、東アジアが危いとの思いを日本人に植付けさせる状況…やれ南西諸島の防備を強化せよ。やれ危機管理意識を育てろ、今にもどこかの国が攻めて来るようなヒステリックな声が、永田町や東京あたりから聞こえて来る。日米軍事同盟強化を計る者たちには、またとないチャンスだろう。
12月3日より、通称「ヤマサクラYS」という米日軍事演習が、原子力空母ジョージ・ワシントンも参加して、奄美海域で行われる。在沖海兵隊第3師団(イラク帰り)と西部方面普通科連隊が共同展開するらしい。もちろん、指揮権は米軍にある。
米日軍事の機能強化、自衛隊基地の共同使用等、国内的にも安保体制の強化はここまで来てしまっている。国会に於いては、安倍政権で作られた憲法審査会(衆院)が、参院においても作られようとしており、憲法9条をつぶそうとする動きが加速化している。これは正直、大変なことになると思われる。
私たちは何が出来るのか。考える会では、沖縄の動向を注視しつつ、去年より始めた演劇をやることになった。題材は、奄美のクロウサギの子育て日記「とんとん、とんのこもりうた」。
私たちにとって、親子の関係とは、子どもを育てることとは何か、また、子育てに適していると言われる徳之島とは何か? 豊かさとは何か? 平和とは、その環境はどうなのか? 様々な問いかけを、この演劇に込め、今回は奄美群島を回ることになった。子どもから老人まで参加してもらえるよう、努力中である。
更に企画として、来年度初めに、平和を求める講演会を提案している。日米安保の現状、憲法9条をめぐる動き、沖縄反基地の斗いとの連帯等々、知りたいことはテンコ盛り。今、準備中。