[政治] 沖縄県知事選の結果を受けて 見苦しかった現職の選挙戦 仲井眞知事は公約の死守を
──KEN子(ミュージシャン/沖縄環境ネットワーク事務局)
沖縄はまた騙されるのか?
去年「自民・公明はもうイヤ!」と、民主党に政権交代。しかし、選挙前に「最低でも県外」を掲げた民主&鳩山氏が5月までにできなかったからと、自民・公明も含めてみんなで「選挙の前だけ良いこと言いやがって!」と追及して、クビにした。なのに今回の知事選では、「選挙前になって県外」という「自公候補」を選ぶという謎…。
私は、いくら仲井眞氏がにわかに「県外」と言っても民主党の時と同じじゃないか、と思ったのと、そして何より私が宜野湾市民で、私たちが怖いと思っている基地を撤去するために自ら資料を探して日米の関係者と直接交渉したり、「基地収入に頼らず母子家庭の医療費無料」などを実践してきた伊波市長を人として尊敬していたこともあって、「ぶれない人」を選びたかっただけに、とても残念な結果となった。
しかも争点が「基地撤去か経済か」みたいに言われたけど、問題はそこだけじゃない。泡瀬干潟の埋立問題、高江のヘリパッド、カジノについて全て「経済のために推進」の仲井眞氏を県民が選んだということになると、泡瀬や高江にも関わる私たちは、更に窮地に追い込まれ、新たな裁判も起こさなくてはいけなくなった。
沖縄はまた騙されるのか? 今となってはそうならないことを祈る、というより、「またやることが増えた」と、ため息をついては、また歩き出すしかない。歩き続けたから出会った人、得たものもあるのが救いだ。
もちろん「現役知事」と「普天間問題で取りざたされた一市長」では、知名度も、組織動員力も差がついたことは否めない。しかも、大量の誹謗中傷看板やビラも多く見られ、投票日当日の県内2紙朝刊に「イデオロギー知事はNo!」という「自民・公明・みんなの党」の広告も出された。この広告に、仲井眞氏支持の市町村長が名を連ねたことは公選法違反ではないかと弁護団が追及しているが、こんなとても見苦しい選挙が子どもたちの目にどう映るのだろうか。