[情報] いらない!APEC 戒厳令下の「自由化」「経済協力」 元気もらった横浜民衆フォーラム
──阪口 浩一
史上最大規模の過剰警備は未来に向けた実験か?
非公式会合に最大規模の警備。13-14日のAPEC首脳会談は、当日の大本営報道が過ぎ去ると、何も残らない空虚なイベントだった。しかし、アメリカ主導の財政界が一体となったイベント。声をあげなければ、貧富の差は加速する。対抗イベント“いらない!APEC 横浜民衆フォーラム”に参加してきた。
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先刻まで目の前で起こっていたことは、錯覚だったのか? APEC会場に近いJR桜木町駅前。道路を挟んだ岸壁には、機動隊員を乗せた無数のカマボコバスが待機し、多数の赤ランプが旋回。上空には複数のヘリコプターが飛んでいた。
デモ解散地点であったそこで、さっきまで大勢の警察官から嫌がらせを受けていた。が、数時間後、忽然と消えた。
11月2日の朝日朝刊によれば、APECには、洞爺湖サミットを上回る過去最大の4万3千人の警官が導入されたという。横浜市は、8月末から、みなとみらい地区で生活する全住民7400人に顔写真やマンション名を記載した「IDカード」を配布したという。海上保安本部は、会場近くの船の運航を制限。警察は、全長3メートルの無人警戒艇を初導入し、海中の不審物をチェックした。その他、渋滞を塞ぐために、数値目標を決めて首都高と一般道で交通量を減らす試みも行われた。
APEC警備計画は、「将来」へ向けた実験としてあったのは間違いない。
静穏保持法
13・14日と首脳会談の日程に合わせて開催された「いらないAPEC 横浜民衆フォーラム」の街頭デモでも、過剰な警官の密着妨害・嫌がらせに加えて、警官が持つ奇妙な掲示板を目にした。「静穏保持法」―マイクの使用などにより地域の静穏を乱す行為を取り締まる―とある。
国際会議等では、外務大臣に地域指定と発令権がある。デモ隊が指定地域に入ると、警官が掲示板を掲げ、取締のためのビデオ隊がデモ参加者に殺到した。