[政治] 民主党政権の裏切りに抗しNO!と言える知事を! 「基地をなくして新しい沖縄へ!」
現地レポート 沖縄県知事選
今、沖縄は知事選挙の真っ最中だ(11日告示・28日投票)。選挙の焦点は、基地問題のはず。しかし、現職・仲井眞氏は選挙前になって、「普天間の県内移設は難しい」と発言、基地問題を選挙の争点化させないように必死だ。
地元紙の世論調査では、現職・仲井眞氏と前宜野湾市長・伊波氏は、ほぼ互角。そんな選挙戦中盤、沖縄知事選の取材に入った。20日、遊説先の宮古・八重山から那覇空港に戻ってきた伊波洋一さんに直撃インタビューをした。 「沖縄の未来を拓く市民ネット」での選挙ボランティア体験レポートと合わせてお送りする。(編集部 一ノ瀬)
尖閣諸島問題に強い関心と懸念
── 最も有権者から反応が返ってくる訴えは?
やはり、普天間基地問題で、「私は県内移設に反対していく」「辺野古の埋め立ては認めない」という点です。
現職の仲井眞氏は、一応「県外移設」とは言っているんですけれども、「県内移設反対」とも「埋め立て反対」とも言っていないんです。県内移設への余地を残しているので、「争点ぼかし」と言えます。そのあたりの問題は、県民は敏感に感じ取っているんだと思います。
─ 米軍基地のある地域とない地域で、基地問題のとらえ方に差はあるのか?
必ずしもないですね。県民の「県内移設反対」の思いは、目の前に基地がある・ないという問題ではありません。従来では、基地のある地域の方が「移設推進」の声が多く、逆に基地のない地域では、普遍的に「基地反対」の声が多かったんだと思います。
ところが今回、米軍基地のない宮古・八重山でも、基地問題を訴えると、たくさんの拍手が起こりました。もちろん、各地方特有の課題があり、それについてもしっかり訴えをしています。
── 中国漁船衝突事故以来、日米安保の必要性が強調され、自衛隊配備の声も出てきている。県知事選に影響は出ているのか?
特に大きな影響はないと思います。ただ、先島への自衛隊配備が、かなり現実感をもって語られています。これに反対する宮古・八重山の気持ちはとても強いです。先島の軍事化・自衛隊の配備について、私は反対の立場を鮮明にしています。
今回の事件に端を発する動きについて、県民は非常に大きな関心を持っています。多くの人が、自衛隊強化に強い懸念を持ちながら、選挙に臨んでいます。
── 沖縄では、「子どもの貧困」(※注)が大きな社会問題になっているが…
子どもが多くいて、なおかつ親の収入が少ない現実が、背景にあります。失業や非正規労働で、親の所得が年間200万円以下であることに基因する貧困です。これは産業を振興し、所得を増やすことで解決しなければならない課題です。沖縄自体の問題でもあります。
そういう沖縄の子どもたちに対して、県としてどう取り組めるのかが問われています。私は、乳幼児の通院費も含めた医療費無料化の拡大や、中学卒業までの入院医療費の無料化を訴えています。
それから親御さんがしっかり働ける仕組みをつくるための、認可保育園の拡大・増園・創設を訴えています。沖縄は、待機児童が多いからです。「児童福祉法」にもとづく保育にかける児童の保育園が十分支援されていないところがあります。その点をしっかり訴えます。
※注・子どもの貧困 今年1月、「沖縄タイムス」が県内の小中学校教員を対象にアンケート調査をおこなった。回答者241人のうち83%が、《家庭・経済状況が厳しい子が増えたと思う》と回答。給食費・修学旅行費や制服代、さらには病気・ケガ時の通院費に事欠く家庭も少なくなく、「布団がなくて体調を崩した」「カッパや傘がなく、雨天時は無断欠席する」「お金がかかるから部活をあきらめる生徒がいた」などの回答もあった。