更新日:2010/12/10(金)
[反貧困] 三菱自動車岡崎工場で労災隠し―違法派遣で被災、右肩脱臼―
──名古屋ふれあいユニオン運営委員長 酒井徹
請負会社、労組の交渉申入れに返答拒絶
派遣会社を通じて三菱自動車工業の岡崎工場構内に違法派遣されていた日系ブラジル人労働者が、今年6月28日に岡崎工場内で労災事故にあい、右肩脱臼で全治1ヶ月以上の重傷を負ったにもかかわらず、労働基準監督署に労災の届出がなされていないことがわかった。
日系ブラジル人労働者・Oさん(31歳)は個人加盟制の地域労組に加入し、労組は三菱自動車工業や構内請負会社「東山」(代表取締役・塚田康雅)・派遣会社の3社に対して、交渉の申し入れを行なったが、三菱自動車は交渉を拒絶。東山も回答期限までに交渉申し入れへの回答をしなかった。
派遣会社は労組との交渉に応じ、労災手続きを進める意向を示している。
違法派遣・社会保険にも未加入
交渉の申し入れを行なったのは、愛知県の個人加盟制労働組合・名古屋ふれあいユニオン(「コミュニティ・ユニオン全国ネットワーク」加盟)。
申入書によると、被災したOさんは、今年2月28日から、安城市に本社を置く派遣会社を通じて、三菱自動車工業岡崎工場内で構内作業を請け負っている東山の作業所に派遣された。
就業にあたっては、派遣先である東山の従業員が労働者派遣法などで禁止されている事前面接を行なっていた他、リフトの技能テストを行なうなどして、本来派遣先が行なってはならない採用行為に関与していた。
またOさんは、就労にあたって労働者派遣法で規定されている労働条件通知書も社会保険もない違法派遣の状態にあった、と組合側は指摘している。
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