[社会] G20・APECで進む民主主義の荒廃 「言いがかり逮捕」 「微罪逮捕」てんこ盛り!
中核派と通知せずアパートを借りて「詐欺」
G20・APEC(アジア太平洋経済協力会議)が終わったが、看過できない事前弾圧がまかり通った。
11月9日、東京・葛飾区で、中核派活動家2人が逮捕された。この理由がすごい。「暴力的集団の関係者でないことが入居条件」のアパートに「中核派であることを通知せず部屋を借りた」ことが、詐欺だという。
暴対法・組対法以来、警察の「指定暴力団」認定=「反社会的集団」のレッテルが貼られることになったが、新左翼政党も、「反社会的勢力」らしい。今後「新左翼」の人間は、憲法第22条が謳う「住居、移転及び職業選択の自由」は認められない。
ケータイ電話の貸し借りを理由に逮捕
11月1日、滋賀県警は京都・滋賀のTさんら3名の障害者の居宅を「詐欺の疑い」で家宅捜索し、2人を逮捕した。詐欺とは、Tさん名義の携帯電話が他の2人によって使用されていたというもの。京都・APEC財務大臣会合への抗議行動を押さえ込む目的のようだ。
11月13日には、埼玉県警が、免状不実記載の疑いで、革労協主流派の活動家を逮捕。これを大手マスコミは、実名丸出しで報道した。これを「ニュース」とするネタドコロは「被逮捕者が解放派の人間であった」その一事に尽きる。公安3課は、革労協主流派の活動拠点「現代社」など3カ所を家宅捜索。機関誌やメモなど34点を押収した。「免状不実記載」と「機関紙」の押収は無関係だが、同時に報道することで、「ニュース」に仕立てた。裁判所の劣化もひどいが、マスコミも同罪だ。
G20宣伝ポスターに落書きで逮捕
G20開催地の韓国でも弾圧が繰り広げられた。11月11日、G20サミットの宣伝ポスターに「ネズミ」を描き入れたPさんが警察に連行された。G20のイニシャル=「ジィ」が韓国語で「ネズミ」を意味するからだという。警察は「G20妨害の陰謀」としてPさんを連行し、拘束令状を請求したが、棄却された。逮捕が大々的に報じられ、抗議が殺到したからだ。
G20サミット・APECを通して民主主義のタテマエさえ破壊されようとしている。政府の治安強化は、日韓共通だが、メディアと民衆の反応には、大きな違いがある。時代の大きな変化を感じる事件群だ。(編集部 山田)