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更新日:2010/11/29(月)

[政治] 大阪地検証拠改ざん事件 最高検幹部自己保身のための「処分」

三井環さん(元・大阪高等検公安部長)に聞く

最高検は、証拠改ざん事件についての処分を決めた。大阪地検特捜部・大坪部長、佐賀副部長を犯人隠避で起訴。大阪高検・次長=太田茂、最高検次長=伊藤には訓告処分を行い、両人は辞職した。

ところが、大坪特捜部長と佐賀副部長は、犯人隠避を全面的に否認。最高検と徹底的に争う意向だ。元大阪高検検事の三井環氏のコメントを紹介する。(文責・編集部)

◆  ◆

── 大手メディアは、「かつてない厳しい内部処分」と評価するが、処分は正当か?

三井…最高検の自己保身しか見えてこない。検察幹部は事前協議で、詳細に検討しており、最高検幹部も含めてみんな証拠改ざんの犯罪に荷担している。「知らなかった」という言い訳は通用しない。

最初のボタンの掛け違いは、議員案件だと見込み違いをしたことだ。昨年9月の段階で、石井一代議士の関与がないことは、明白になっており、事件全体の構図が崩れた時点で、再捜査が必要だった。ところが、村木厚子元局長の逮捕を強行し、論告求刑まで突き進んだ。

こうした内容はすべて、詳細に最高検まで報告されており、証拠改ざんについても、最高検トップの責任である。そうした意味で、最高検次長である伊藤の自己保身でしかない。

── 起訴された大坪部長・佐賀副部長が、犯人隠避容疑を一貫して否認しているが…。

三井…罪を認めても懲戒免職は免れないので、何とか頑張って無罪判決を取りたいのだろう。ただし、前田主任検事があれだけ詳細に供述している以上、部長らがいくら否認しても、無罪判決は難しい。

それでも否認し続けるのは、大阪地検特捜部の処分の重さに比して最高検幹部の責任が棚上げされており、不公平だと思っているからだろう。責任を全部大阪地検に押しつけて、処分が最高検幹部まで及ぶのを止めるための犠牲者になるのは御免だ、という気持ちだ。公判の中で、最高検の責任を問う意向かもしれない。

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