更新日:2010/11/15(月)
[コラム] 稲木豊實/蔭りゆく帝国のほころび
徹底したプロパガンダによって国民を愚民化する中国
ある国(民族)の社会制度や文化についての批判・干渉は、場合によっては許されないことではない。仮に奴隷貿易やアヘン密輸をしている国があれば、世界のどの国の人民でも国家権力でも、それに批判を加え、是正させるべきである。かつての南アのアパルトヘイトに対する各国の貿易制裁は、その例だ。私は肯定しないが、ブッシュはフセイン政権打倒を、グリーンピースは鯨・イルカ漁の妨害をした。
9月7日に起こった「中国漁船事件」では、中国側が激しく抗議し、中国政府によって多くの対抗措置がとられた。その後、25日になって船長は釈放されたが、中国国内の反日感情は収まらず、中国政府の政治的・経済的な対日報復措置は解除されない。民間交流や旅行までが制限され、日本人の中には北京空港で入国拒否されたり、記者に中国国内での取材許可が下りなかったりしている。
日本帝国主義と主体的に戦い、打倒したのは中国共産党である(実質は国民党なのに)に始まり、徹底したプロパガンダによって国民を愚民化して、民主勢力やチベット・ウイグル等の独立勢力の武力弾圧をしてきたのも、現在の中共政府である。
尖閣諸島についても、70年に台湾が米石油会社に探査権を認めて以来、繰り返し領有を主張し、愛国心高揚の手段としてきた。今回の対応は、そうしなければ体制が破綻するという、岐路選択した手段である。
もはや、共産党独裁体制は持たない。旧満州、旧東蒙古・旧熱河省・内蒙古、新疆、チベット、雲南・大理、広東・広西などが各々独立し、民主政権を樹立していかなければ、人民の幸福は得られない。
先進国が非軍事的に各地の民主政権樹立のための支援を行うことは、認められるはずである。
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