更新日:2010/11/15(月)
[コラム] 森下雅喜/国家の中で暮らす私たちはどんな国際性を作るのか
問われる「国際性」のあり方
日本側は、海上保安庁の船に船をぶつけてきたから「公務執行妨害罪」で船長を逮捕した。「刑事事件を粛々と処理する」と。
中国から見れば「領土問題」であって、中国の領土を侵す敵国の船に体当たりするのは国の英雄である。
完全にすれ違っている。中国でこの状況を放置すれば、政府は「ネットマニアの若者」に袋だたきにあう。日本では、巷で「民主党は何してんねん」と、ちょっと文句言われるだけだ。
日本では「自衛隊基地を撮影していた」という罪で中国人を逮捕することはしないだろうが、中国では当たり前のことだろう。船長を釈放しなければ、第二、第三、第四のフジタが出ただろう。だからといって、あの時期の船長釈放はあまりにも中途半端だ。釈放するなら二泊三日、しないならきちんと起訴すべきだろう。
国と主権と外交とその国に暮らす人たち、私たちにそれほどの選択肢はない。その中でどんな「国際性」を作っていくのか、が問われている。
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