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▲平良港に初入港した米掃海艦「ディフェンダー」
更新日:2010/11/15(月)

[コラム] 川平俊男/日台中の住民主体で共同利用を!尖閣を国家利権に利用するな

無視されている特異な歴史的関係

尖閣問題では、最も大事なことが無視されている。それは、琉・台・中、および奄美・沖縄・宮古・八重山の特異な歴史的関係であり、特に先島地域(宮古・八重山)の自治・自決権である。

この問題の解決に向けては、@領土…どこの国家領土でもない(国連管理など)、A石油…採掘しない、B漁業…宮古・八重山・台湾漁民の共同利用に向けての話し合い、が必要とされるだろう。

日本復帰前、台湾漁民が尖閣近海で漁をし、宮古平良港に買い物などのために立ち寄ることは、多々あった。それはごく日常的すぎて、新聞記事にもならなかった。

明治政府は1895年1月、尖閣諸島が「どこの国のものにもなっていない」として、日本領にした。

1969年頃、同島付近にイラクに匹敵する油田があるとの発表以来、日・台・中の間で領土問題が起こり、事件が頻発する。特に沖縄・琉球の日本復帰後は、日本政府および民間団体が強硬手段に出てきた。

尖閣問題は、@領土拡張、A石油資源、B漁業権─に集約される。それを強欲国家間の利権争奪問題にゆがめ、解決不可能にしている。

そんな中、宮古周辺は、きな臭い煙が立ち込めている。島の軍事利用が、着々と進められているのだ。

「平良港の軍事利用を許さないぞ!!」「米軍艦は宮古から出ていけ!!」「下地島空港の日米軍事利用を許さないぞ!!」─宮古島の住民は、9月21日〜24日、連日平良港で米軍艦と対峙した。

9月21日午後、米海軍掃海艦「ディフェンダー」が、佐世保から宮古平良港に強行入港した。入港の目的は、公式発表によると「日米親善や友好」だという。「ディフェンダー」艦長は、「寄港中、島の歴史や文化を学び、ボランティア活動をしたい」と、港の近くで、空き缶拾いを行った。空き缶を拾うために、巨費を使い、80人の乗員と共に、長崎県佐世保から軍艦で宮古島に乗り込んだのか?

艦長は言う。「寄港に反対する人たちには、言論の自由がある。その自由を守ることも私たち(米軍)の仕事だ」。エッ??…しかし、同行した米総領事は、「この地域は、戦略的にますます重要になる。我々(米軍)の存在感を示すのは大事だ」と強調する。正直だ。

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