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更新日:2010/11/03(水)

[情報] エクアドル・コレア大統領来日 「ヤスニ・イニシアティブ」は世界を変える一歩となるか?
──開発と権利のための行動センター 青西靖夫

エクアドル・コレア大統領来日

9月5日〜7日にかけて、エクアドルからラファエル・コレア大統領他、多数の閣僚が来日し、政府首脳との会談に加えて、広島訪問、投資家との懇談会など、積極的な日程をこなした。

今回の来日で主要テーマの一つは、エクアドルのアマゾン地帯における石油開発を放棄する提案である「ヤスニ・イニシアティブ」である。ヤスニ・イニシアティブは、エクアドル東部のアマゾン地帯にあるヤスニ国立公園と重なるITT(イシュピンゴ・タンボコチャ・ティプティニ)鉱区に存在する8億5000万バレルの石油開発を放棄しようという計画である。エクアドル政府はその代償として、見込まれる石油収入の半分の補償を国際社会に求め、ヤスニ国立公園の生物多様性を保全するとともに、国際社会からの拠出金を元に、エクアドルにおける代替エネルギー開発、森林保全、保護区管理などを進めようというものである。

このイニシアティブへの資金を受け入れるのが「ヤスニ基金」であるが、この基金を管理する国連開発計画とエクアドル政府の協定が8月2日に署名され、正式に発足したことに加え、今回の来日には、ヤスニ基金の担当大臣であるエスピノサ自然・文化遺産調整大臣も同行していることからも、今回の訪問でヤスニ基金への日本の協力が重要なテーマになると想定されたのである。

コレア大統領はNHKの番組の中で、この計画について次のように語っている。

「例えば、日本のトラクターを買いたければ、私たちはその性能に応じた代金を日本に支払わなければなりません。一方、日本や世界の国々が享受しているきれいな空気はアマゾンの熱帯雨林が生みだしていますが、そのアマゾンを抱える我々は、何も受け取っていません。そこで、経済学の論理を変える必要があるのです。つまり、商品ではなく、《価値を生産する》ということ。それがこの構想の考え方です。二酸化炭素の排出をしないことで、京都議定書によって定められている排出権取引をすることもできます。生活の向上が期待できないのに、貧しい人々に、ただ『森を守りなさい』とは言えません。だから、自然環境を守ることで収入が得られるメカニズムが必要なのです。特に貧しい国の人々が利益を実感できなければ、環境保護を持続させることは不可能でしょう。」

しかしながら、ヤスニ・イニシアティブが今回の訪日の主要なテーマとなることはなく、日本政府からも特に積極的な支持が表明されることもなかった。

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