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三井環・著/双葉社(双葉新書)/2010年7月/小B6判・232頁/860円(税込み)
更新日:2010/11/01(月)

[情報] 書評/「『権力』に操られる検察─5つの特捜事件に隠された闇」

国家権力に立ち向かう「突破」は時代を変える

著者の三井環氏は、元大阪高検公安部長である。検察の組織的裏金作りを告発しようとして、その寸前に、口封じのため微細な罪をでっちあげられて、逮捕された。

著者自ら述べているように、事の発端は私憤であった。しかし、徐々に義憤に変わっていったらしい。その経緯と心情は充分理解できるのであるが、果たして検察が自らの存続をかけて当時の自民党有力者と取引をしたという「けもの道」は小泉政権から始まったものであろうか。三井氏は、小泉政権以前までは「検察の正義」が厳然としてあったがごときに書かれているが、著者以外に「愛着ある捜査機関の『最後の良心』を信じる」人々など、今の日本に何人いるのだろうか。我々民衆にとっては、特捜検事であろうが、裁判官であろうが、弾圧機関の一員にかわりはなく、それは小泉のずーっと前からあった、「最悪の良心」である。

それはさておき、著者が取り上げている「5つの特捜事件」は、非常に興味深い関連があると思われる。鈴木宗男事件、日歯連事件、朝鮮総連ビル事件、小沢一郎事件、郵便不正事件である。著者は一連の事件の顛末をひと通り述べた上で、現在の検察がいかに「時の権力」の意を汲み、おもねることで裏金問題の隠蔽をはかり、組織維持を果たしてきたかを、全編にわたって告発している。

ただ、この「5つの事件」の背後にある闇の勢力に関しては、意識してか否か、《旧自民党の有力勢力》と簡単に述べているだけである。問題は、特捜検事を含む検察機関、更には司法全体がどのような勢力に影響を受けているか、ということである。

著者の三井氏は、権力の不正を糾そうとして狡猾な罠にはまった、同情に値する被害者であり、不正不当を告発する絶対的権利がある。欲を言わせてもらえば、検察の不正腐敗の告発だけにとどまらず、「5つの事件」の背後にある暗い淵の連環をえぐり、何が真の巨悪なのかを事細かに我々読者に知らしめていただきたかった。「自分の上司の誰々がどうしたこうした」だけではなく、そのような出世指向の人間が見ている、現在の日本の権力の実態と傾向にまで踏み込んでいただきたかったのである。

最終章に、鈴木宗男氏と堀江貴文氏と著者の鼎談が掲載されている。僅かばかりの頁ではあるが、なかなか興味深い。やられた3人である。鈴木宗男氏の桁違いの根性を尊敬するのは、三井氏1人だけではあるまい。国家権力とマスコミの極悪コンビに真っ向から立ち向かうことは、並大抵の決意ではできない。スタイルの違いはあるが、3人とも闘っている。宮崎学風に言えば、「突破」である。「突破」は時代を変えるが、やられる定めなのである。熱きエールを送りたい。(評者・北野 要)

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