[社会] あの「無印良品」がイスラエル出店!?
占領地や戦場から利益を得ることは、占領や戦争を支援すること
今年4月、無印良品がイスラエルへの出店を発表した。「同国への日系小売企業の出店は初となります」(同社HPより)といささか自慢げですらある。2011年中にテルアビブまたはエルサレムに1店舗を出店予定という。
5月末、ガザ支援船がイスラエル軍に急襲されたこともあり、一気にイスラエルボイコット運動が世界的に盛り上がるなか、無印は、出店を強行するのか? 9月5日には、大阪難波・無印良品ビルへの抗議行動が取り組まれ、25日、10月2日にも直接行動が予定されている。日本でもようやく立ち現れてきたイスラエルボイコット運動の現状とは?(編集部)
「ストップしています」?
「お答えできることは何もありません」―「無印良品」を運営する竃ウ印計画・企画室に電話、「イスラエル出店について」と用件を伝えた途端の反応だ。同社が掲げる「全てにコミュニケーションを」とか「カスタマー・レスポンスの徹底」(同社「行動基準」)の全否定だ。
「本当にそんな対応でいいのか?」と確認すると、担当者が出てきた。現状を聞くと、担当者は、あっさり「現在ストップしている」と語る。理由は、@提携先であるカイリ社との契約内容について合意できない点がある。Aイスラエルボイコット運動の影響を慎重に検討している、という。「出店断念なのか?」との問いには、「ストップです」。
これについて「パレスチナの平和を考える会」の役重氏は、「中止を臭わせながら、運動をかわし、突然進出を強行する企業もあった。断念を公表しない限り、ボイコットの呼びかけは続ける」と語る。
アパルトヘイト支持のサイン
1980年に西友のプライベート・ブランド商品として出発した無印良品は、セゾングループを率いていた堤清二の肝入りで生まれた。89年に事業部が会社として独立。
91年から海外展開を模索しており、2000億円に迫る売上高に海外が占める割合は、2割に達する。今回のイスラエル進出は、こうしたグローバル化の一環である。
無印良品は、既存ブランドに対する対抗(アンチ)を基本コンセプトとしているだけあって、「公正で透明な事業活動」「地域コミュニティーと共に栄える」などを行動基準としてアピール。「フェアトレード100万アクションキャンペーン」の応援もしている。
一方イスラエルは、海外有名ブランドの招致に熱心だ。海外有名企業からの支持を取りつけることでイメージアップをはかり、パレスチナでの不正・不法行為をカモフラージュするねらいだ。海外でも有名な無印良品の利用価値は高い。
「無印良品の出店を許せば、あとに続く企業が現れやすい環境ができてしまう」と阪口さん(フリーガザジャパン)は語る。イスラエルへの出店は、イスラエルにアパルトヘイト政策支持のサインとなる。