[社会] 兵庫県警によるKさん逮捕・編集部への家宅捜索に抗議する!
「こ」も「じ」も繋がらない「こじつけ」弾圧
8月23日、兵庫県警は弊紙編集部に対しガサイレ(家宅捜索)を強行した。これまで編集部は幾度となくガサイレを受けてきたが、これほど根拠のないこじつけ弾圧は、例がない。強い抗議の意思と共に、写真付きで経過を明らかにしたい。
午前10時、制服・私服合わせて17名の警察官が入口に群がり、編集部が入居するビル周辺は異様な雰囲気に包まれた。制服警官が事務所前道路の交通整理までしていたらしい。
様子が変だと思い、編集部員が外の様子を確認しようとしたら、兵庫県警公安三課・安倍誠警部補が、ドアをノック。捜査令状を示した。
はて? この時期に何の言いがかりやら? 容疑を聞くと、疑問符は満載となった。Kさんの免許不実記載・偽造有印私文書行使(詳細は2面左)という。Kさんには数回寄稿していただいたが、Kさんの運転免許不実記載など、我々編集部が知る由もない。他の容疑も、関連などあり得ないし、こじつけるのも無理だ。そもそも、運転免許証の住所変更を怠ったくらいで、本人を令状逮捕し、立ち寄り先にまでガサイレすること自体、限りなく違法に近い。
こじつけ弾圧にしても、「こ」も「じ」も繋がらないので、「拒否する」と伝えたが、警察の言うことを丸飲みする素直な裁判官がはんこを押した捜査令状があるため、安倍警部補は「強行突入」をちらつかせる。20分ほど粘って、警官の人数を制限した上で入室を許可した。
責任者の安倍誠、パソコン捜査要員2名、その他文書類捜査要員2名、記録係2名、合計7名で妥協。7名を超えない範囲で捜査員の入れ替わりは認めるということで、その他の10名は、炎天下で待ってもらうことにした。
捜査手法も無茶苦茶運動への違法な介入・弾圧だ
ガサイレの根拠も無茶苦茶だったが、捜査手法もひどいものだった。パソコン担当官を監視していると、検索語として「Kさんの名前」だけでなく、「釜ヶ崎」「釜ヶ崎パトロール」「自由労働者連合」など、野宿支援関連の運動体の名前を次々入れていったからだ。
これらの団体と免許不実記載とは、何の関係があるのか!「おかしいじゃないか!」と抗議して、「容疑と関係のない捜索は違法だ」と指摘。あらためて捜査の本当の目的を問いつめた。
安倍は「捜査の内容は話せない」「裁判所が許可している」を繰り返すばかり。「野宿者支援運動の情報収集が目的としか考えられない」と指摘すると、安倍は顔を背けて、ダンマリを決め込んだ。図星なのだ。
Kさんの逮捕は、野宿支援運動弾圧を狙ったもので、偽造有印私文書行使は、組織的犯行だとの筋立てのもと、無理矢理ガサイレを強行しているのではないか? そうだとしても、編集部へのガサイレは、必要性も根拠もない不当捜査である。
結局、7人が膨大な書類の束をめくり、引き出しの中をチェックし、すべてのパソコンの捜索を、4時間かけて行った。
押収物が人民新聞?
これほど入念に捜索した挙げ句、押収物は、Kさんの手による原稿が掲載された人民新聞2部、釜ヶ崎パトロールの会発行のパンフなど、いずれも公表され、広く配布されている公刊物ばかり。パソコン内のデータも、押収できる関連のものは皆無だった。当たり前である。この事実だけでも、編集部へのガサイレがいかに関連がなく、不当なものであるかがよくわかる。
Kさんの逮捕は、野宿支援運動への弾圧を目的としたものであり、編集部へのガサイレは、そのための情報収集を目的としている。社会運動への違法な介入・弾圧である。
兵庫県警は、事件とは無関係とわかっている編集部のパソコンを捜索し、4時間にわたって作業を止めたその責任をとれ!
兵庫県警・安倍警部補! あまりにエエ加減なガサイレをすると、反撃も大きいことを知るべきだ。編集部は、やられたら、やり返すぞ!