[情報] 重信房子/闘いの誇りと皆さんとの絆を抱きしめて共に進みます
最高裁「上告棄却」判決を受けて (『オリーブの樹』 第100号・要約)
7月16日、最高裁判所の「上告棄却」判決を受けました。予想したとはいえ、まったく門前払いの判決です。
私の公判は、「9・11事件」の「反テロ」キャンペーンの中で進行しました。ブッシュ政権は、この事件を司法にゆだねず、「反テロ」戦争を宣言し、「戦争」としてアフガンへの侵略を開始。反米政権の解体をすすめ、不寛容と無秩序と対立を世界大に拡大しました。日本は、イラクへの自衛隊派兵を行い、自民党は憲法改悪案まで発表しました。
検察は、70年代に「超法規的措置」を2度も強いた日本赤軍に対し、国家の威信と面子をかけて、報復的政治弾圧を仕掛けました。「重信は一生獄から出すなと言われている」と、現場検察官が何度も語っています。旅券の不正使用事件では、重刑を科すことはできないため、「ハーグ事件」で重刑を企てました。
ハーグ事件は、PFLPの欧州現場責任者の指揮に沿って、日本人実行部隊がオランダのハーグにある仏大使館を占拠した事件です。当時私たちはPFLPの指揮下で、独立した日本赤軍は結成されていませんでした。
しかし検察は、70年代の「不確かな供述調書」を利用し、逮捕後に新供述調書を作文し、証拠を作り上げました。検察の意図に合わせて弱い立場の者を脅かし、供述書を作り上げるのです。
検察は、30年以上前の戦闘行為を現在の「無差別テロ」と意図的に同一視し、エピソードや断片を「状況証拠」として並べ立てて、無期懲役を求刑しました。
第一審は、事実に踏み込んだ検証は行なわず、供述書の断片を論拠とした検察の筋書きにおもね、有罪判決を下しました。事実を精査すれば、供述書の誤りや矛盾がはっきりしてくるからです。
ハーグ事件の実行行為者であることを認め、殺意を否定して争っていた和光公判でも、西川公判でも、私の共謀は否定して判決されています。二つのハーグ事件法廷で、私は無罪判決を受けているのです。
以来、控訴審でも、門前払いのように内容に立ち入らず、控訴棄却。最高裁判所も「上告棄却」と判決しました。