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[反貧困] 労組主導でダンピングに抵抗　業界あげてゼネコンと対峙

1ヵ月にわたるストライキ　勝利的に継続中！

大手新聞の沈黙をよそに、いま大阪全域で生コン関連業界一斉ストライキが行われている。労働組合は、�@昨年獲得した常雇150000円／月以上、日雇い25000円／日以上の賃上げ、�A日雇い労働者の年間就労保障などの春闘要求実現を求めてストに突入。さらに生コン業界団体に対し、春闘要求実現には生コン業界自体の経営安定が必要不可欠との観点から、生コン立米あたり1万8000円（現状、14300円）の値上げ徹底を求めている。労組は府下全域で8割の工事をストップさせた。闘争開始から1ヵ月。すでに春闘要求のため生コン単位の値上げを7割の工務店が受け入れている。闘いの現場を追ってみた。（阪口浩一）

大阪駅梅田北ヤードで工事が１ヵ月ストップ

「都心に残された最後の一等地」（大阪駅開発プロジェクトＨＰより）大阪駅梅田北ヤード開発工事現場。車両出入りゲートや現場を囲むフェンスの隙間から、基礎工事のために組み立てられた鉄筋の躯体が見える。雲ひとつない空の下、人影はない。立ち並ぶ大型クレーンは静止している。

工事関係者に話を聞こうとするが、どの業者も口が堅い。朝礼や職長会議で、ストライキについてかん口令が出ているという。しかし、北ヤードの施工を担当する大林、竹中といったスーパーゼネコンといえども、工事ストップの事実を隠すことなどできない。

すでに出荷量７割が値上げ後の価格で取引

「このストライキは、絶対に負けるわけにはいきません」と、連帯ユニオン関西地区生コン支部　柳副委員長は語る。

セメントメーカーとゼネコンの独占を許し、生コン業界全体の崩壊を許すのか。それとも、業界を民主化し、共生をめざし歩んでいくのかを問うストだ、と訴える。

「ゼネコンが生コン協同組合の値上げ要求を受け入れれば、労組の春闘要求実現も可能であるし、協同組合加入事業所の経営安定にも繋がるのです」と続ける。

ストに先立ち、6月27日には労働者、経営者２３００名以上が集まり、「生コン業界危機突破集会」が行われた。「組織の存亡を賭けて、新価格・出荷ベースに不退転の決意で取り組んでいく」と、大阪広域協組　武富起久夫専務理事は決意を語った。

スト開始からひと月が過ぎ、すでに７割を越える現場が生コン単価の値上げ受け入れを表明。竹中に代表されるスーパーゼネコンの頑なな抵抗が続いてはいるが、闘いは記念碑的勝利に向かい、最終章を迎えている。

考え抜かれたスト戦略

ここで、ストライキ開始からの経緯を説明する。　

7月2日、連帯ユニオン関西地区生コン支部、生コン産業労働組合、全港湾大阪支部の３労組が、「大阪広域生コンクリート協同組合」、「阪神地区生コン協同組合」（同3日）に対して無期限ストライキを通告。生コン製造と運搬を停止させるというストライキがスタートした。

次に、同6日、生コンの原材料であるバラセメントの工場搬入を止めるため、「近畿バラセメント輸送協同組合」に対して無期限スト通告。これにより原材料の輸送がストップ。さらに同12日には、コンクリート打設を受け持つ圧送業者の労組、「近畿圧送労働組合」がストライキに突入した。これにより、生コンの製造・運搬・打設が一斉にストップすることになった。この時点でスト関連事業所は200を越えて、府下の建設現場の約8割の工事がストップした。

こうした流れを受けて、まず圧送事業所が春闘要求を受け入れ始めた。

工期延期による損失を避けるために、中小の現場が立米あたり1万8千円の値上げを受け入れ始めたことにより、同23日以降、受け入れ業者に対する選別出荷を開始。同30日現在で、通常出荷比の7割が、すでに値上げ価格で取引されている。