[社会] 米軍被害者のための具体的な解決策
『米軍犯罪被害対応マニュアル』
米軍犯罪被害者救援センター(代表・栄篤志さん)が、「米軍犯罪対応マニュアル」を出版した。とにかく実践的だ。米兵との事故・犯罪被害にあった場合、@現場で何をすべきか?から、A当事者どうしの交渉、B損害賠償請求手続き、C訴訟と、一連の流れが、フローチャートで示され、過去の事例も紹介されている。
米兵の事件・事故は、日米地位協定という厚く高い壁によってうやむやにされ、被害者は泣き寝入りを強いられてきた。したがって、日米地位協定の解説と批判は不可欠なのだが、このパンフレットは、同協定の批判や法律の説明よりも、事件・事故に巻き込まれたら「どうしたらいいの?」という当事者の切実な要求から出発している。
米軍自動車による交通事故で息子さんを亡くされた海老原大祐さんは、「米兵との事件・事故に巻き込まれた被害者・遺族は、路頭に迷うしかなかった」という現実の中に投げ込まれ、「米軍人・軍属による事件被害者の家」を結成。10年をかけて、被害者・遺族救済の道筋を作り、日本政府による損害賠償金の差額支払い制度(96年SACO合意)創設に貢献した。
韓国では、「駐韓米軍犯罪根絶運動本部」が、同様のパンフレットを作成・配布し、成果を上げているという。
栄篤志さんは、「基地周辺住民は、いつ事件・事故に巻き込まれるか知れない不安な生活を送っている」として上で、気軽に使えるようコンパクトにし、値段もワン・コイン(500円)とした。車のダッシュボードにでも入れておいて欲しい」と話す。沖縄では、米兵による事件・事故が日常化し、被害者・遺族の生活破壊は深刻だ。米軍事故が起こると、米軍が現場を制圧し、日本の警察は手出しができない。事件・事故後の生活保障は、自分の手で勝ち取るしかないからだ。
在日米軍Q&A、日米地位協定を読み解く(DVD付属)、全国各地の相談連絡先も掲載されている。
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