[情報] レバノン発ガザ支援船「国境なき記者団」 日本からも支援船への参加を!
──インタビュアー・阪口エキン
「ガザ封鎖緩和」を演出するイスラエル
ガザへの支援船を計画中の、レバノンの「国境なき記者団」(Journalist Without Border─フランスに拠点を置く団体とは別の団体)へのインタビューをお送りする。
5月31日、イスラエル軍によってガザ自由船団の一隻、マブィ・マルマラ号が襲撃され、9名の死者と40名以上の負傷者を出した。また6月5日、アイルランド船レイチェル・コリー号が拿捕された。
民間支援船への攻撃と、イスラエルのガザ封鎖政策に対する国際的な非難が高まっている。それらを打ち消すべく、アメリカ支援の下、イギリス元首相ブレアをイスラエルに派遣するなど、イスラエルは必死に「ガザ封鎖緩和」を演出している。そんな国際社会でのせめぎ合いの中、新たなガザ支援船の出航計画をいち早く発表したグループに、前出の「国境なき記者団」と、「ガザ解放運動」(Free Palestine Movement─これもレバノン拠点のグループで、アメリカ、その他の国々に存在する同名のグループとは別団体)があった。
イスラエル政府と支援国家アメリカからの激しい圧力と恫喝で、出発は無期延期となったが、このインタビューは、数日中にも出発と噂されていた6月21日に行われた。
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──あなたのお名前は?
答…タエール・ハンドゥールです。国境なきジャーナリストの共同提案者で、メディア・コミュニケーション・コーディネーターです。
──イスラエルは「絶対に入れない」と強硬な姿勢ですが、出航前のレバノンはどんな状況ですか?
答…今のところ順調です。我々レバノン・国境なきジャーナリスト団がガザ支援のために送り出す「ナジ・アル・アリ支援船」(イスラエルに殺害されたパレスチナ人漫画家に由来)が、レバノン北部のトリポリに入港しました。イスラエルは脅していますが、我々は必ずガザに到着し、ジャーナリストとしての使命と人道支援の任務を完遂するつもりです。
──この船の目的は何ですか?
答…ジャーナリストとしての職業的使命と、市民としての目的があります。
1つは、ジャーナリストとして、直接ガザの状況を確かめたいということです。イスラエルは、「ガザの人道的状況は悪くない」と宣伝していますが、我々は自分の目と耳で真実を調査したい。
2つめに、正義を求める市民として、現在続行中の4年にわたるイスラエルのガザ封鎖を破る運動に参加することです。我々の「ナジ・アル・アリ支援船」には、がん患者用の薬品など医薬品を中心に、文房具、教育用品などが積み込まれます。
──新聞報道によれば、ジャーナリストの船と女性だけの船が出るとありましたが、レバノン運輸相は「申請があったのは一隻の船だけ」と言っています。
答…申請し許可が出たのは、ナジ・アル・アリ号だけです。船は今、レバノン北部のトリポリ港に停泊しています。当局の検査手続きが済めば、出航日を決めます。