[社会] ホンダ中国工場・山猫ストライキ
──6月2日 「レイバー・ノーツ」(米国の同名の労働運動ネットワークの月刊誌)
「飢餓賃金」を終わらせよう!
「我々の親は飢餓賃金に苦しみ、今や年老いた。我々も同じ道を歩けというのか?」─中国のホンダ工場で働く労働者が、空前の2週間ストをインターネットで説明する中で、こう語っている。
中国でストは違法ではないが、たいていは潰されるか、周囲に知られる前に介入が入って「解決され」、一切報道されることはなかった。
しかし、ホンダの中国4工場で起きたいわゆる「山猫スト」は実現し、公表されていないが、24%の賃上げに成功した模様だ。業界紙で投資家がパニックになっている様子からも、ストは成功したようである。
月給131ドルから219ドルのホンダ工場労働者1900人が、53%の賃上げと、組合役員を選ぶ権利を要求して、ストを敢行した。
要求がどの程度実現されたかについての情報はないが、戦闘的小集団が解決に反対する中、操業が再開された。スト中、2人の指導者が解雇されている。参加労働者の匿名オンライン文章を翻訳した。(レーバー・ノーツ編集部)
ホンダは、フォーチュン500社の一つで、昨年は540億円以上を稼いだ。一昨年の稼ぎは、130億円以上だ。ところが、労働者への賃金は最低水準で、月給13000円足らず。こんな低賃金で働くのは嫌になる。
「ホンダは年金を掛けている」という人がいるが、年金未加入は法律違反で、フォーチュン500会社としては自慢にならない。
今回の闘いでホンダは、4590円賃上げをした。その内訳は、基本給2590円、住宅手当450円、食費手当て1550円だ。これで月給が19500円の水準になったという人がいるが、その水準の月給を出す会社は、周囲にいくらでもある。フォーチュン500の会社としては、まだ低賃金だ。
自動車産業が非常に儲かる業種であることは、みんなが知っている。その利益を作り出したのは我々現場労働者なのに、その労働者の取り分が非常に少ないというのは、筋が通らない。「不満なら辞めろ!」とよく言われるが、我々が辞めても、ホンダは操業を続け、同胞労働者を低賃金でこき使うことを止めない。だから、ストを続けているのだ。
「お前らは中等職業学校や職業訓練所程度の学歴しかないから、給料が低いのだ」という人がいる。学歴の低い我々を軽蔑する奴らに言ってやる。「ホンダの稼ぎを作り出しているのはお前たちでなく、学歴の低い我々だぞ!」