更新日:2010/06/22(火)
[社会] 基地振興策のオルタナティブ 徳之島を農業で生き返らせる
基地より経済効果高い農業めざして
徳之島南部・伊仙町は、農業生産高50億円を目標とした開発基本計画を立案。現在、実施計画の作成中だ。この計画の立案責任者である、樺山誠経済課課長に話を聞いた。
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この基本計画は、基地移転問題が起こる前に策定されたものだ。しかし、基地振興策に十分対抗できるものになっている。根拠を説明したい。
まず、徳之島の主要農産物(さとうきび・馬鈴薯・肉牛)の経済効果は、生産高の4倍と見積もることができる。農産物の生産量の増加は、運搬・加工・販売などの仕事の増加つながり、それに伴って雇用も増える。それらを合わせると、4倍の経済効果が得られる。
一方、軍用地は、伊江島の場合、畑10eあたり26万円の借地料だ。伊仙町の農業生産高は、10eあたり現在15万円。経済効果は、その4倍なので、約60万円となる。軍用地の借地・保証金の2倍以上である。基地誘致の様々な振興策は、借地料以外にも様々な補償金・公共工事があるので、単純に比較はできないが、お金には還元できない基地被害の大きなデメリットを考えると、農業振興策は、基地振興策に十分対抗できると言える。
基本計画では、当面総生産高=50億円を目標に設定した。現状は約38億円なので、3割増だ。これは、他町の農業生産高と比較しても、十分現実的な数字だ。和泊町(沖永良部島)は、伊仙町とほぼ同じ耕地面積で、60億円の農業生産をあげている。やるべきことをやれば、60億円まではあがるだろう。
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