[反貧困] 2010年・フリーターメーデー特集 自由な表現で日常の窮屈さに反撃
東京・「高円寺」メーデー
サウンドデモは、フリーターの街頭行動で定番メニューとなったが、今も進化し続けている。車上ライブ(高円寺)・巨大パペット(京都)と、メーデーとは関係のない通行人を振り向かせ、歩道から車道のデモへ合流するカップルの姿も見える。
デモ・集会のスタイルは、地域によって千差万別だ。8人が学習会に集まったことを「革命的大勝利!」と報告する、うつけもの・メーデー(熊本)は天晴れだ。こうした学習会形式もあれば、2日間にわたる大イベントを企画したフリーター全般労組(東京)もある。カワイ音楽教室へのデモを組み合わせ、仮装大会のような福岡メーデーは、公園入口で警察に出発を阻まれた昨年のリベンジ・デモとなった。
「どこかで聞いた」ではなく、「ナニ?あれ」という奇抜さ派手さを競う表現の自由さは、日常の窮屈感への反撃だ。「高円寺解放」をうたった高円寺メーデーは、そうした日常生活への接近を指向しているようにも思える。このデモを準備した素人の乱は、さびれかけた商店街の一角で、古物商から始まった。次々と生きる場所を広げ、今や、貧乏人のためのカフェ・イベントスペースまで運営し、商店街全体のイベントも下支えし、自分たちの空間を押し広げている。
各地スタイルは違うが、共通するテーマがある。それは「つながり」だ。メーデーの企画・準備を通して新たなつながりを作り、デモ後の「交流」をとても大切にしている。日頃の生きづらさを共有し、強いられた個人化からなんとか抜け出そうとする生きるための試みだ。そんな各地のフリーターメーデーの息吹に触れてほしい。(編集部)
仕事に追われた生活なんてまっぴらだ!
5月1日は言わずと知れたメーデー。 労働運動 とは程遠いような街=東京・高円寺で、今年もとんでもないメーデーデモが発生した!
高円寺という街は、若い奴らの多い街で、みんなが好きなことをやってのびのびと暮らしているところ。むしろ、まじめに働いてるやつを見つける方が大変なぐらいで、そんなところでメーデーとは何事なんだ!?
だが、よく考えてもらいたい。「これだけ働いてるんだから、これだけの待遇をよこせ!」みたいな主張が旧来のメーデーだったが、我々はそうではない。そもそも、そんなに仕事ばかりの生活なんかまっぴら御免なのだ! 冗談じゃねえ!
それに、仕事っていうのは、本当は自分らの世の中を何とかまわしていくための作業にすぎない。本来は、そんなに仕事が多いはずがない。まったく! そんな余計な仕事に、朝から晩まで追われるほど我々はヒマ人じゃないぞ。
っていうことで!“仕事熱心じゃない奴らのメーデー”という、とんでもないデモが発生してしまったのだ!! これは恐ろしい!
デモは、毎度のようにサウンドデモ。今回は、デモの先導トラックの上にステージを組み、バンドが演奏しながら進むという、またも大バカなデモ! トラック上のステージのバックには、「高円寺解放!」と書かれた超巨大横断幕! う〜ん、これはなんだかすごい迫力だ!