更新日:2010/05/03(月)
[海外] 新中東地図
トルコ・シリア・イランの協調体制
イスラエル・米国をさらにイライラさせているのが、トルコの動きだ。トルコが先導して、シリア・イランとの協調体制を作り上げようとしているのだ。
08年8月初旬、シリアのアサド大統領がトルコとイランを訪問。同月中旬には、イランのアフマディネジャド大統領がトルコを訪問。さらに、9月上旬には、トルコのエルドアン首相がシリアを訪問している。
親アメリカ・親イスラエルを外交の基本とし、欧州連合 (EU) への加盟を大目標としてきたトルコが、イラン・シリアとの交流を急速に深める理由は何か?
07年7月に行われたトルコの総選挙では、イスラム色の強い公正発展党(AKP)が46・49%の得票で340議席を獲得し、単独過半数を制した。世俗主義を国是としてきたトルコだが、パレスチナ問題での「不正」を黙認する欧米諸国に見切りをつけるかのように、イスラム諸国との関係を深めている。
こうした中、09年5月上旬、イラン大統領アフマディネジャドがシリアを訪問。両国首脳は、パレスチナ抵抗運動支援を謳った。
その1週間後には、トルコのギュル大統領もシリアを訪問。地域自由経済圏形成のための「際限のない協力関係」実現で合意している。こうした活発な訪問外交は、米軍イラク撤退を見据え、イラクと国境を接する3国の地域戦略作りをめざしているかのようだ。
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