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更新日:2010/04/26(月)

[コラム] 大今歩/山村の現在を支える人々

都市からの関わり・共同作業参加…

私の暮らす京都府北部の山村では、これまで多い時には一晩で50aをこえるような積雪があり、冬中畑や家のまわりに根雪が残っていた。

しかし、今年の冬は昨年に続いて雪が非常に少なくて、道路の積雪や早朝の除雪作業を心配しなくてよいなど、生活は楽だった。そのかわり鹿が、雪がないため、畑に露出している白菜・キャベツ・大根などを荒らしまわったのには困りはてた。春から秋にかけては村の周囲を電気柵で囲むので鹿の害を防げるが、冬は積雪による破損を避けるため線を外すので、鹿が人家の近くまでやって来る。

10年ぐらい前までは鹿に出会うことは年に一度もないくらいだったが、今はほとんど毎日出会う。山が荒れているためと、鹿の個体数が増加しているためであろう。過疎化の進む山村では、山の手入れが行き届かない。広葉樹を植林するなど、行政の助けが必要である。

さて、民主党政権は、農家の戸別補償制度を次年度から実施する。確かに大規模農家にはかなりの恩恵をもたらすかもしれないが、耕地面積の少ない山村では補償額はごくわずかであるし、逆に耕地面積の制限を受ける可能性があるので、制度に加入する家はほとんどない。一方、10年目を迎える中山間地域直接支払制度(水源かん養などの機能を維持するため、山村に補助金を支給)は、今年度で期限が切れる。新政権は制度の期限延長をする見込みと聞いているが、予断を許さない。

このように高齢化が進行する(ほとんどの住民が80才以上)なか、私が暮らす過疎の山村はますます存亡の危機が迫っているが、わずかながら希望も見えている。

その一つは、かつて私が暮らす山村で生まれ育ったが今は、近隣の平野部に住む50〜70代の人々が、草刈りや道路の補修などの共同作業に積極的に参加してくれることである。さらに、山村を出て大阪や京都で就職して生活してきた60代の人々が定年を迎え、面倒をみるため、親の住む家に月のうち半分ぐらい戻り田畑の耕作を始めている人が増えつつあることである。例えば、今年の4月から独居老人の息子さんが帰ってくる。

本年1月18日、福知山市が主催して山村17集落の交流会が開かれ、私も参加したが、集落の代表者は異口同音に、そうした区外居住者が集落の維持に欠かせないことを強調していた。年中山村に暮らさなくとも、共同作業に協力したり、都市との二重生活を行うなど、山村とは多様な関わり方があることを大切にして広めていきたい。

そして、こうした人々がまさに現在の山村の暮らしを支えていることに着目した政策の拡充(中山間地域直接支払制度の期限延長や支払いの増額など)を求めていきたい。

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