[政治] 大阪府橋下知事 関西財界のポチ
伊丹廃港・府市統合・ベイエリア開発…
「北朝鮮は暴力団と同じ不法な団体で、(朝鮮学校との)関連性を認定しなければならない」─3月3日、橋下徹大阪府知事が、またイジメの口撃だ。拉致問題を口実に、朝鮮学校を「高校無償化」の対象から外すという。公権力の立場(府内の朝鮮学校は、府知事の所管にある)からの、丸出しの民族差別である。
今年2月6日に就任2年が経過した今も、マスコミ各社の世論調査で80%を越える高支持率を集める橋下知事。「敵」を作り上げ、マスコミに乗っかって徹底的にバッシング。軽々しいレッテル張りとワンフレーズで、ポピュリズムをひた走る手法は相変わらずだ。府市統合・伊丹空港廃港など、橋下知事をまとめて切り刻む。(編集部)
人気取りのために弱い者イジメ
大阪府をはじめとする自治体は、朝鮮学校を各種学校と認可してきたし、全国の大学も朝鮮学校に対し受験資格を認めている。国民新党の亀井金融相ですら、「差別する必要はない。子ども手当には所得制限をかけないのだから、その趣旨に従ってやればいい」(3月3日)。
橋下知事は「拉致という不法行為を行っている団体と関係する施設とは、府はお付き合いしない」と、言い放つ。朝鮮学校の生徒が拉致問題に関わったとでも言うつもりなのか。朝鮮学校への不信や敵愾心を煽りたて、自分の人気へと繋げようとする、あざといやり方だ。前門真市会議員の戸田ひさよし氏(権力弾圧で昨年3月に失職)は、「行政が子供の扱いを民族国籍の違いで差別すること自体、断じて許されない。拉致問題への見解公表を学校に求めて踏み絵にするなど、論外の圧迫行為だ」と、厳しく批判する。
「伊丹廃港」へ向けた自治体への圧力
「関空をスーパーハブ空港にするためには、一にも二にも三にも四にも五にも六にも七にも八にも九にも、伊丹廃港しかない!」─1月4日、大阪市内での、大阪府・市と大阪の経済団体の新年互礼会で、橋下知事が吼えた。会場の反応は、パラパラ程度の拍手。関西経済連合会(関経連)の下妻博会長は、「言葉が優先しても、何も起こらない」と、冷めた発言。さらに翌5日の記者会見で、「今生きている3空港を、明日殺す訳にはいかない」と、距離を置く発言をした。
橋下知事がブチ上げる「大阪ベイエリア開発」。その中核は、関空(関西国際空港)だ。「関空が沈めば、関西も沈む」と、橋下知事は強調する。
大阪湾は、関西国際空港・大阪(伊丹)空港・神戸空港がひしめいている密集地帯だ。関空を国際ハブ空港にしたい知事にとって伊丹空港は、邪魔な存在でしかない。ここでも、「敵」を仕立て上げて口撃に出ている。