[コラム] 五味正彦/模索舎と共に「新宿のたまり場」だった「スナックシコシコ」
新宿に我らのたまり場を!
12月15日号で “2010年、模索舎は40周年” と書いた。できたのは10月28日で、前日まで内装工事やオープンの準備が終わらず、10名以上徹夜のまま、開店したのを覚えている。
本棚と本(ミニコミ)、レジさえあればできるはずなのに、なぜ開店準備にそんなに手間が? と考える人がいるだろうが、それは今とは内容が、内装が全く違っていたからだ。読者には40年前を知らない人の方が多いだろうから、ちょっとだけ当時の様子を。
スペースと業務の主なものは、「スナックシコシコ」だった。 “新宿に我らのたまり場を!” という熱意が人と金を集めたのだった。今と同じ場所、同じ広さの、入口から見て左側3分の2が「スナックシコシコ」、右側1/3が情報センターへの模索舎、途中でのいろいろ議論を経てだが、両者の間には壁があり、外からの入口はそれぞれにあった。
「シコシコ」はコーヒー一杯100円のたまり場であり(夜は半分くらい居酒屋の感じ)、イベント空間でもあった。
コンサート・映画上映(小川プロ全作品連続上映とか)、壁面展示会とか。
特に展示は今思い出すと、すごいのをやっている。藤本敏夫・キューバ大使館と組んだゲバラポスター展、新島淳良・日中友好協会(正統)と組んだ南京大虐殺展、岡村昭彦・ベトナム解放戦線と組んだベトナム解放戦線の子供達の絵画展と、たぶん日本で初展示のテーマをたて続けに3つやった。
マスコミにも大きく取り上げられ、「シコシコ」と模索舎の開店は、すぐに多くの人々に知ってもらい、利用してもらうという幸先よいスタートが切れた。
オープン当時の話だけでも、限りなく続けられるが、ここではこれまで。40周年イベント、秋には何か、久しぶりにOBとしても協力するかと思っていたら、前段でというか、もう早速、当時の話をする機会がやってきた。
●3月7日(日) 第5回ミニコミ・みじんこ洞─五味正彦トークライブ 東京高円寺のみじんこ洞(電話・03-3818-9338)にて、夕方6時半ぐらいから。
●3月22日(月・休)模索舎40周年(プレ?)イベント 司会・平井良、五味は当時の話を少々。東京大久保地域センター 午後1〜5時 問い合わせは模索舎(電話・03-3352-3557)
2つとも東京で申し訳ないが、興味ある方はぜひお越し下さい。
別のテーマだが、ちょっと報告。この欄でワーカーズコープ(労働者協同組合)のことを何度か書いてきたが、この協同労働の組合の法制化の話が進んでいる。「働く者が出資をし、経営決定もする組合が、法で定める一定の基準を満たせば、届け出制で法人格がとれる」というもの。
数年前から運動が進み、議員連盟もできていたが、国会の構成の大変化などもあって、目前で足ぶみしていたのが動き出しそうだ。NPOの場合も、法制化で数多くの団体が誕生した。ワーカーズコープもそうなるだろう。