[情報] 熊本初・独立系労働組合を立ち上げたぞ!
──熊本労働生存組合(KUMASO)執行委員長 がんちゃん
熊本に変化を起こしたい
熊本市在住の有志の強い気持ちが実を結び、熊本県で実質初めてとなる、上部組織を持たない「独立した」労働組合が立ち上がったことを報告する。07年、熊本初のニートデモ、08年、熊本KY(空気読めない)メーデー、09年、熊本ならず者メーデーと繋がってきた私たちは、ついに労働生存組合結成に至った。これを起爆剤に、熊本に変化を起こしたい。
「仕事」と「趣味」しかやってこなかった私に、新しく「労働組合活動」というフィールドができた。忙しさに翻弄されつつも、知らない世界の「新鮮さ」を全身に感じ、生きている。
家電量販店の指示でお客様の元へ商品を運搬し設置工事を行うのが、私と父の仕事である。ところが昨秋、家電量販店の配送工事作業補助者という肩書きを「持たされた」。家電量販店の下請け会社と「請負契約」を交わしたからだ。
私を含め、関係する個人企業主は、完全な自己責任を強いられている。常に破産を含めた最悪の状況を覚悟して、設置作業に従事している。にもかかわらず、一件あたりの工賃はかなり低い。その上、親企業や元請企業から、ピンハネされ、工事材料の買い取りを強要されたりと、不当千万な締め付けを受けている。
こうした不満を親友に話している内に、「どんな問題でも、みんなで力をあわせて乗り切る、労働組合を作ろう!」という話になったわけだ。その親友は、「フリーターユニオン福岡」の組合員であり、労働や生存の知識に詳しく、熊本でも「肥後コミューン」という相互扶助組織の運営の経験もあった。
「4つの壁」を乗り越えるぞ!
しかし、「意思は統一された。ならば即結成してしまおう!」と簡単な論理が通じないのが、地方の悩みのタネだ。結成に向けて行動を開始した私たちの前には、4つの大きな「壁」があった。「仲間」「場所」「資金」「知識」である。
幸いにも「場所」=活動拠点は、執行委員のひとりが事務所転用可能な物件に住んでいたため、何とか解決した。
「活動資金」は、これも様々な議論を行った結果、基本月額2千円、収入が生活保護など公的サービスを受給する水準の方、そして給与など生活資金の激減に見舞われた方は月額1000円、ということになった。
問題は「知識」である。こればかりは、経験も含めて得ていかなければならない。いかんせん、この知識を有しているのは、たったひとりだけである。学生時代にあまりやったことのない勉強を、夜中に焼酎を飲みながらゆっくりとやっている。とにかく知識をつけていなければ、いざ事が起こったときに困るのは己である。今後、労働法は無論だが、生活保護や障がい者解放運動の学習会を行い、みんなでレベルアップを図っていきたいと思っている。