[コラム] 河合左千夫/沖縄・普天間基地を関西国際空港へ
関西財界の「カネ目当て空港」なんか米軍に提供しよう
普天間基地の関西空港への移転を提案します。理由は以下の2つです。@沖縄の人々への連帯と、A関空の巨大赤字の解消、です。
鳩山首相が辺野古移転案を白紙にもどしたことには賛成です。せめてものアメリカへの抵抗であり、アメリカの言いなりになってきた自民党政権への痛烈な批判です。しかし、小泉首相のことを「小泉曹長」と呼んではばからないアメリカからすれば、飼い犬に手を噛まれたように受け取っているようなので、簡単には譲歩しないでしょう。あるいは百歩譲って、交渉のかけひきとして強硬姿勢を示しているのかも知れませんが、その場合でも、譲歩を引き出すのは時間がかかると思います。
そうすると結局、辺野古移転もグアム移転も進まず、普天間基地が住宅密集地の真ん中に居座るという最悪のケースが続くことになります。沖縄では普天間や嘉手納などの巨大基地が丘の上のいちばんいい所に陣取り、人々はそのまわりにへばりつくように住まわされています。64年前の占領状態が今も続いています。
米軍基地反対、安保条約反対を言い続けるだけでは、沖縄の人々に申し訳ないような気がします。ましてや、米軍基地と安保条約が必要だと言う人は、関空移転を真剣に考えるべきでしょう。
今や関空は閑古鳥が鳴いています。先日、定年退職後のボランティアでネパールへ出かける友人を見送りに行って、びっくりしました。しかも彼女は、関空から大韓航空で仁川へ渡り、仁川からカトマンズへと旅立ちました。欧米の航空会社のカウンターはなく、日本と中国、韓国の航空会社だけになっています。橋下知事の言う「関空を日本第2のハブ空港」など夢のまた夢です。
それよりは、@関空を閉鎖し、日本政府が買い取り、米軍に提供する。A伊丹空港に仁川便と上海便だけ国際線を併設する方が、ずっと現実的です。対岸のりんくうタウンも政府に買い取ってもらい、米軍人の住宅も含め、本物のアメリカ村を作ってもらえば、アメリカ好きの若者たちも喜んで集まってくるでしょう。
関空など、関西財界やそれとグルになった地方議員、地方役人がカネ(大型公共投資)欲しさに作ったデタラメな空港です。唯一、「伊丹空港の廃港」だけがスジの通った目的だったのに、それすらも奴らは反故にしました。本来ならば、関空の赤字は全て奴らが賠償すべきものです。
もともと関空は、騒音問題解決のために、巨大なカネを使ってわざわざ沖合に作ったのですから、米軍基地が移ってきても問題ないでしょう。また、海兵隊の基地ですから、ヘリコプター中心ですので、航空管制の面でもあまり問題ないと思います。蛇足ながら付け足しておきます。