[海外] アメリカ/アフガン・ニューディール基地建設で景気テコ入れ?
オバマのアフガン増派とペンタゴンの米軍再編
「オバマ政権がどのような決定をしようとも、ペンタゴンは終わりのない戦争の準備をしている」─ウェブニュース=「Speaking the language of occupation」はこう分析する。同報告は、「09年だけで膨大な国家予算が米軍基地拡大・整備に流れた」として、アフガン国内での基地建設ブームの実体を指摘する。同様なことをジャーナリスト=ニック・ツルス氏も報告している。急ピッチで進むバグナム空軍基地の大規模拡張工事の実態だ。
オバマ米大統領は、09年12月4日、「アフガニスタン駐留米軍を3万以上増派する」と発表するとともに、2011年7月に米軍撤退を開始すると表明した。しかし、ペンタゴンは、アフガニスタンに恒久的な軍事基地を次々と建設・拡張しており、オバマ大統領の「出口戦略」とは、明らかに矛盾する動きをしている。
ペンタゴンは、中央アジアに「中東のイスラエル」に匹敵する大軍事基地を建設している。今回のオバマの「増派」発表は、その大義名分であり、「撤退」発表は、イチジクの葉っぱに他ならない。(編集部)
バグラム空軍基地の大拡張で20万人駐屯可能に
まず、アフガニスタンにおける建築投資ブームの実態を紹介する。アフガニスタンにおける軍事基地建設ラッシュを牽引する最も大きなプロジェクトは、バグラム空軍基地だ。
「バグラム空軍基地では常にブルドーザーが埃をあげ、掘削機が地形を変えていく」と米軍兵士=チュック・クランボは報告している。「数百人の労働者が兵舎や司令棟建設に携わり、4つのコンクリート工場がフル稼働している」という。
同空軍基地は、旧ソビエトが1980年代にアフガニスタンを占領した時に使用された空港だ。2年前から拡張工事が始まり、今やその面積は2000ヘクタール(普天間基地の約4倍)。20万人の軍隊が駐屯可能な施設となった。オバマ政権による増派、戦争の長期化に伴い、今後さらに180億円の建設増資が見込まれているという。
さらに軍は、27億円かけて、旅客用ターミナルの増設と兵士移動専用の施設建設も計画している。来年は東側の土地を接収し、基地拡大を目指すと言う。
「アメリカはタリバンに制覇されているアフガニスタン北部ノリスタンを除き、全国土で建設ブームを引き起こしている」(A mob of FOBs)のだ。
※(参照:アフガニスタンを掘りまくれ!─ニック・トゥルス、A mob of FOBs、Speaking the language of occupation他)