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▲今年9月、ロンドンでの「エルサレム・デー」でイスラエルボイコットを呼びかける参加者
更新日:2010/01/05(火)

[海外] パレスチナ/自由や人権のために闘う決意 和平とイスラエルボイコット運動
──AIC(オルタナティブ・インフォメーション・センター)・ミシェル・ワルシャウスキー

政治目的となった「和平」

イスラエルとパレスチナの「和平」 が政治目的となっている。その前提は、「パレスチナ紛争は、お互いに正当性をもった民族運動の対立」という考え方だ。BDS(イスラエルのボイコット・投資引き上げ・経済制裁)運動に関わる者の多くは、この考え方には立たない。

「和平」も「平和」も、それだけでは何の意味もない。我々が目標にするのは、基本的な個人や集団の権利、支配と抑圧の終焉、脱植民地化、平等、そして正義と公正の実現である。その中で和平交渉を支持するが、和平そのものを目的としない。

我々にとって、シオニズムは植民地主義運動である。イスラエルは、入植者が他人を追い出して作った植民地国家である。正義は、イスラエルの脱植民地主義化(脱シオニズム化)なしに実現できない。それは、難民・占領下やイスラエル内で下級国民扱いされているパレスチナ人の正当な権利実現の前提条件だ。

この脱植民地化の最終結果が「1国解決」か「2国並存解決」(但しユダヤ人国家は認められず、民主的な2国という前提つきで)か何か他の形になるかは二義的なことで、イスラエル人も参加した解放闘争・民主化闘争が決定することである。

イスラエル人の精神状況を形作る現実が二つある ― 一つは、イスラエルが植民国であるという現実。その原動力シオニズムが脅かす周囲の人々や国々を、反対に「敵対勢力」と見て、取り囲まれているという脅威感。

もう一つは、ホロコーストで強化された反ユダヤ主義(現実も、虚構の場合もある)への恐怖。イスラエル人も世界から認められ、愛されたいと願っている。

しかし、そのためには二つの困難を克服しなければならない。一つは、必要な代価を支払うこと ― 責任ある文明国民として行動することだ。もう一つは、他者を信用することだ。

もちろん、共存のために差し出す平和の手は必要だが、同時に、「人権や自由のためには徹底的に闘うぞ」という決意を込めた鉄拳も必要だ。オスロ合意の失敗が、よい教訓だ。被害者の権利回復の前に和解すれば、単に植民地主義的関係を温存させるだけである。支払うべき代価を迫らない限り、イスラエルは何も改めようとしないだろう。

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