更新日:2009/12/08(火)
[海外] パレスチナ/ここは北アイルランドではない
──ムスターファ・アブ・スワイ(アルクッズ大学教員)/ビターレモンズ(10・19)
八方ふさがりの現状
今パレスチナは、八方ふさがりだ。イスラエルは、違法な入植地建設を進め、オバマ大統領の中東政策は、前政権と変化なし。パレスチナ政治勢力の統一も進展しない。そんな中でも、芸術・文化領域も含めた多様な抵抗が試みられている。(編集部)
政治的ブラックホールへと皆を引きずりこむミッチェル中東特使
米国のミッチェル中東特使は、北アイルランド紛争解決で発揮した手腕を買われて、中東特使となった。ミッチェルの善意と信憑性を疑うわけではないが、問題は、中東の国際的・地域的権力構造がイスラエルに国際法の外側で占領を継続することを許し、みんなを政治的ブラックホールへ引きずりこんでいることだ。
ミッチェルは、中東問題の素人ではなく、クリントン時代に調査団を引率、ミッチェル報告と呼ばれる調停案(占領者と被占領者を平等に扱う内容)を書いた。内容の一つが、「自然増」も含む入植地拡大の完全凍結だった。オバマ大統領もこれを取り入れ、イスラエルに1年間の入植活動凍結を要求した。
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