[社会] 在特会デモ取材ルポ 「行動する保守」運動ヘイトスピーチ超えた暴力行使へ?!
10・10外国人参政権断固反対!全国リレーデモ・関西集会
「在日特権を許さない市民の会」(在特会)は、「行動する保守」として、ここ最近、街頭での活動を活発化している(弊紙6月25日号・8月25日号に掲載)。
また鳩山政権誕生に対しても、「反日政党民主党による日本破壊政策=外国人参政権断固反対!」との過剰な対決姿勢を強めている。在特会は、「外国人参政権断固反対!」を訴え、9月13日・札幌、20日・名古屋、27日・東京、10月4日・福岡、10日・大阪と、全国リレーでデモをおこなった。10日の関西集会の様子と、それに抗議するカウンターデモ参加者の報告と合わせて、掲載する。 (編集部 一ノ瀬)
異様なデモ風景
「反日外国人は日本から出ていけ!」「在日参政権なんて認めないぞ!」「生野区を守り抜くぞ!」─御堂筋に「在日特権を許さない市民の会」(以下、在特会)デモ隊のシュプレヒコールが響きわたった。鳩山政権誕生による、在日外国人への地方参政権の実現反対を掲げた、「10・10外国人参政権断固反対!全国リレーデモ・関西集会」だ。
先導する宣伝カーからの「私たちは、ユーチューブ、ニコニコ動画(※注)でおなじみの…」との自己紹介はどこかコミカルだが、「外国人参政権反対」の主張を越えて、在日外国人への憎しみを発散し、叩きつけるようなデモはやはり異様だ。
街行く人々は、日の丸を掲げるデモ隊が珍しいのか、その様子を注視していた。
デモ出発前の集会場となったのは、新町北公園(大阪市西区)。約200人の参加者(最終的には300人ほど)を見渡すと、若者の姿が目立つ。しかも、普通に繁華街を歩いているような男女の若者たちだ。
プラカードも、排外主義丸出しのどぎついスローガンもあったが、「日本の主権を侵害する憲法違反の外国人参政権に反対しましょう」「戦没者は民主党がキライです」など、市民運動チックな表現が多かった。
特攻服が似合う「市民集会」
子ども連れの若い親たちや、ゲバラTシャツを着ている若者の姿を見ていると、何かの反戦集会とかフリーターデモだと錯覚してしまいそうだ。会場のあちこちに林立している日の丸が「ああ、これは在特会の集会なんだ」と現実を思い出させてくれる。
参加者一人ひとりが発言者との一体感を高めるように、集会の雰囲気は高揚していく。主催者側は市民集会だから「特攻服での参加禁止」を謳っていたものの、むしろ集会の雰囲気には、特攻服の方がピッタリ似合っていた。
「行動する運動」から「闘う運動」に?
「なんだお前は!左翼のスパイか!」─集会中、突然、前の方でビデオ撮影していた1人が、主催者に怒鳴られた。全参加者が彼に注目する。間髪を入れず、在特会代表の桜井氏がマイクで参加者を煽る。「皆さん、これが極左・犯罪者集団のやり方です!」「出ていけ!」「ここから叩き出せ!」─大多数の参加者が、雪崩のように彼を追いかける。あっという間に彼は遠くに追いやられてしまった。
※ユーチューブ、ニコニコ動画…どちらもインターネット上の動画共有サイト。各種のビデオ映像が無料で視聴できる。在特会は、デモなどの映像を生中継するなどして、公開している。